今回のHAPPENストーリーでご紹介するのは、NAGOYA CONNÉCTのアンバサダーであり、日本とインドを繋ぐ活動や、子供向けの起業家教育など精力的な活動を行っている丹治大佑さん。今年の6月には20年間の会社員生活にピリオドを打ち独立することに。新たな一歩を踏み出すきっかけとなったのはNAGOYA CONNÉCTと関わったことだといいます。

|赴任先のインドに魅せられ日本とインドの橋渡し役に

――まずは自己紹介をお願いします。

出身は福島県で大学は東京でした。海外に関わる仕事をしたいという思いから商社に入社しました。 2013年から2018年までの5年間、インドに駐在し、2018年にインドから帰国して名古屋に赴任、現在も名古屋に住んでいます。商社に勤めながら、日本とインドを繋ぐための情報発信を行ったり、2019年から2年間、社会人大学の「事業構想大学院大学」で子供向けの起業家教育を研究し、2021年に事業構想修士(Master of Project Design=MPD)を取得しました。

会社員生活は20年に渡りましたが、自分自身でビジネスを立ち上げることを決意し、2022年の6月に会社を辞めて独立。現在は愛知県が支援するスタートアップ支援施設「PRE-STATION Ai(プレ・ステーションエーアイ)」を拠点に、事業を軌道にのせるべく奮闘しています。事業内容としては、一つは日本人にインドの魅力を伝え、日本とインドの連携ビジネスを推進すること。インド特化型の研修やセミナーなどを行っています。もう一つは子供向けの起業家教育の促進です。今年度にスタートした愛知県小中高生向け起業家教育事業「Aichi Startup School」では、地域コーディネーターや講師を務めています。この二つの事業を主軸に展開していく予定です。

――5年間の駐在生活ですっかりインドに魅了されたそうですが、どうところに惹かれたのでしょうか?

日本にいた時は「自分は周りからどう思われているか」ということを常に気にしながら生活しているようなところがあり、モヤモヤした感情を抱えていました。でもインドは人口が13億もあり、宗教も言語も入り乱れていてまさにカオス。インドの人たちは他人の目など気にせず、ありのままの自分を受け入れ、自分のやりたいように暮らしています。そんな彼らを目の当たりにし、「常に周囲の目を気にしていた自分はなんて小さな人間だろう。自分のやりたいように自由にやればいいんだ」と、すごく解放された気分になりました。そうしたら毎日がすごく楽しくなったんです。インドに救われたといえるかもしれません。

――インドに関する情報発信を積極的に行っているそうですね。

インドはインフラや社会の仕組みなどうまく機能していないことも多く、課題が山積みの国です。それだけにビジネスの機会は無限に広がっているともいえます。インドと日本の企業が融合したらすごいパワーを発揮できると思うのですが、インドは治安がよくないとか、衛生面で問題があるなどネガティブな情報ばかりが横行しており、日本にちゃんと情報が伝わっていません。インドのもっとポジティブな面やポテンシャルの高さを誰かが発信しなければいけない――これは僕がやるしかない、自分に与えられた使命なのだと感じています。民間企業、自治体、大学、大使館などの垣根を越え、その「横串」の役を率先して担うことで、一歩ずつですがインドを知ってもらうきっかけづくりに励んでいます。

|NAGOYA CONNÉCTはどんどん失敗してもOKな場所

――NAGOYA CONNÉCTのアンバサダーをなさっていますが、どのような経緯で関わることになったのでしょう?

NAGOYA CONNÉCTに参加することになったのは「事業構想大学院大学」に通い始めたのと同じくらいの時期です。名古屋に赴任してまだ1年くらいで“インドロス”も大きかったし、土地勘のない場所で交友関係も広がらず、また少しモヤモヤを感じていました。そんな時期に、もともと知り合いだったNAGOYA CONNÉCT Program Managerの粟生万琴さんに声をかけてもらったのがきっかけです。

「NAGOYA CONNÉCTには面白い人がたくさん来るし、アンバサダーとして運営を手伝ってくれれば、いろんな人に出会えますよ」と誘われたんです。

実際にアンバサダーをしてみたら本当にそうでしたね。名古屋は地元ではありませんし、会社関係以外の友人・知人を作るのに苦労していたのですが、NAGOYA CONNÉCTのアンバサダーという立場があれば、相手の信用も得やすいですし、コミュニティに入り込むきっかけになります。スタートアップ界隈の人たちのほか、名古屋市が運営しているので自治体の人たちもたくさん来ます。この人に繋がればこの人にも繋がる、というようにどんどん人脈が広がっていきました。

――現在はアンバサダーだけでなくプログラムリード(グローバル)という役割も担っているそうですね。

アンバサダーとして参加してしばらく経ったころ、NAGOYA CONNÉCTのプログラムにも携わらないかと話がありました。やります!と答えたものの、初めてのことなので、セッションの内容や時間配分など「これでいいんだろうか」とかなりガチガチになっていました。そんな時、粟生さんが

「NAGOYA CONNÉCTは失敗の練習ができる場所だから、完璧を目指す必要は全然ない。自分で考えて、好きなようにどんどんやればいい。それこそがアントレプレナーシップ」

と言ってくれました。自分のやりたいようにやってみて、うまくいかなかったところを直していけばいいのだと。そう言われて肩の荷が下りました。

日本は失敗に厳しい文化ですし、思う存分失敗していいなんて会社員時代はありえなかったことです。粟生さんは僕だけでなく、アンバサダーとして参加している学生たちにも同じことを言っています。学生たちは実際に時々やらかしますけど(笑)、その失敗を反省して次に生かしています。こういうところはNAGOYA CONNÉCTの本当に素晴らしいところだと思います。

――実際に自分でセッションを手がけていかがでしたか?

2021年11月のNAGOYA CONNÉCTで、社会人大学で学ぶということをテーマにしたセッションを手がけました。事業構想大学院大学で一緒に学んだ人たちを呼んで、どういう思いで社会人大学に通っているのかを語ってもらったり、ビジネスプランをピッチしてもらいました。僕自身はモデレーターをしたのですがとても楽しかったですね。自分でプログラムを考え、実際にセッションを開催し、そこに来た多くの人たちが共感してくれたことに喜びを感じました。プログラム作りは自分に向いていると思いましたし、意外とうまくできるじゃないかという気づきがありました。

自分の潜在的な能力に気づくことができたのはトライできる場があり、行動したから。Venture Café Tokyo代表理事の山川恭弘先生がよく「Action Trumps Everything!(行動はすべてに勝る=まず行動しよう!)とおっしゃっていますが、アクションを起こすことの大切さを身をもって感じました。この「Action Trumps Everything」というのは大好きなフレーズで、自分のFacebookの自己紹介にも掲げています。

ありがたいことにセッションの評価もよく、22年からはアンバサダーとしてだけでなく、プログラムリードとしての役割も担うことになりました。8月には「小学生からはじめるアントレプレナーシップ教育」というテーマでプログラムリード兼モデレーターを務め、東京・虎ノ門ヒルズでVenture Café Tokyoの「インドのスタートアップエコシステムの可能性」をテーマにしたセッションでも登壇しました。何度かやっていくうちに楽しさが自信に変わってきたとも感じています。

|NAGOYA CONNÉCTが一歩を踏み出す背中を押してくれた

――会社員生活にピリオドを打ち独立に踏み切ったのはNAGOYA CONNÉCTに参加したことが1つのきっかけと聞いています。

NAGOYA CONNÉCTに参加していなかったら、この一歩は踏み出せなかったと思います。まずは人との繋がりをこんなに増やせなかったでしょう。NAGOYA CONNÉCTがきっかけで知り合った方に「名古屋は保守的な街。だからこそ丹治さんのように外から来て革新的な考えを持っている人が必要で、すごく貴重な存在なんです」と言っていただいたことがあります。自分は“ただのよそ者”ではなく地域の人に必要とされる存在なんだと知ることができ、すごくうれしかったです。

子供向けの起業家教育のセッションを行った時は、衆議院議員の方や、名古屋市の副市長、経済局長などそうそうたるメンバーが来場され「やはりこれからは子供たちにもこういう教育が必要だ」というお言葉をいただきました。普段はなかなか接する機会のない方たちにも自分が手がけたセッションに参加してもらうことができ、さらには共感してもらえたのは、NAGOYA CONNÉCTという場があったからこそ。

このような手ごたえを実感できる場がなかったら独立、起業するという道は選べなかったかもしれません。

――今後の抱負はありますか?

日本とインドの融合を促進し、笑顔の数を増やすことを目指しています。融合というのは経済的な部分だけではなくマインド的な部分も含めてです。日本とインド、それぞれが不足しているものを補完しあえれば新たなイノベーション、新たな価値が生まれると確信しています。そのための仕組みを多角的に構築したいと考えています。文化的な交流、ダンス、ヨガやアーユルヴェーダ、インド映画、インド料理などライフスタイルの中にちょっとでもインドが関わることで人生のスパイスになれば、と思っています。

日本がインドを知らないようにインドも日本をよく知りません。日本企業のインド進出のサポートだけでなく、インド人が日本に来てどんどん働けるような仕組みも整えなければいけないと思っています。そうすればインド人も日本の魅力をインドにどんどん発信するようになり、インドからのインバウンド客も増えるでしょう。「中国人観光客の爆買い」のような現象がインド人バージョンで起これば経済波及効果も大きく、日本ももっと元気になるはずです。

実は今年は日本とインドは国交樹立70周年なんです。日印関係において非常にメモリアルな年でもありますし、自分が独立するなら今がベストタイミングだとも感じました。将来的には愛知県にインドタウンを作れたらいいなと思っています。

◆Venture Café Tokyoについて/ About Venture Café

Venture Café Tokyoは”Connecting innovators to make things happen”をミッションに掲げ、各種プログラミング・イベントを通じてベンチャー企業・起業家・投資家を繋げることで、世界の変革を促すイノベーションの創出を狙いとする組織です。Thursday Gatheringは毎週木曜日16時-21時に開催されるVenture Café Tokyoのフラッグシップ・イベントです。教育セッションや安全で快適なネットワーキング空間の提供を通じて、多様な人々が集う場を提供し、上記のミッション達成を図ります。

http://venturecafetokyo.org/

NAGOYA CONNÉCTは毎月第2・第4金曜日に名古屋市主催で開催されるVenture Café Tokyoのプログラムです。多様なイノベーター達による講演やイノベーションを加速させるワークショップ等を通じて参加者は学びを得ながら、そこで得た共体験を梃子にネットワークを拡げることが出来ます。

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HAPPEN #17: Miyo Yamamotoさん(MiYO Organic)
HAPPEN #17: Miyo Yamamotoさん(MiYO Organic)

数多くの起業家とオーディエンスが集結するVenture Café TokyoのシグネチャーイベントRocket Pitch Night。今回ご紹介するMiYO Organic 代表の山本美代さんは、2021年11月に開催されたRocket Pitch Nightに参加したことをきっかけにビジネスが大きく前進したと言います。どのようなHappenがあったのでしょうか。

|食器のスタイリストが竹歯ブラシを開発

――店舗プロデュースを行うDINING+、食器ソムリエ協会の代表理事、環境に配慮した日本発のサスティナブルブランドMiYO Organicなど幅広くご活躍なさっています。

DINING+は母が経営する会社の一部として立ち上げた事業で、ホテルや結婚式場、レストランなどの商業施設向けに食器や備品の販売・スタイリングを行っています。食器に関わる仕事をする中で、食器に関する情報が上手く循環していないのではないかという思いがありました。食器業界全体をよくするハコの必要性を感じ、設立したのが一般社団法人 食器ソムリエ協会です。MiYO Organicは世界中で大量に廃棄されるホテルのアメニティをもっと環境に優しい物に変えられないかということからスタートし、竹歯ブラシなど環境に配慮した商品の開発・販売を手掛けています。

――MiYO Organicは出張先のホテルで、アメニティの歯ブラシで歯を磨いている時の気づきから始まったそうですね。

今まで当たり前と思っていたことを急に疑問に感じることって、珍しくないと思うんですが、出張先のホテルで歯を磨きながら「私はこの歯ブラシを夜と朝、たった2回だけ使って捨てるんだ」ということに改めて気づき、すごくもったいないことだと思ったんです。世界中で大量の歯ブラシがゴミとなっているビジュアルが頭に浮かんできて「ああもうこれはやるしかない」と。もともと私はちょっとオタク気質で、思い込みと情熱だけでやっている部分はあります(笑)。

――ブランド設立のきっかけから、「竹」で歯ブラシを作ることに決めたこと、歯ブラシ工場ではなく割り箸を作る工場での生産、原料として中国産の竹を使うなど、製品化までの詳しい道のりはご自身のNoteで紹介されていますが、どのあたりが一番大変でしたか?

やはり製造工場を探すのは大変でしたね。歯ブラシ工場で生産を断られ、暗礁に乗り上げてしまったような時期もありました。また、クオリティと価格、見た目の可愛さなどのバランスにも苦労しました。品質が良くても歯ブラシ1本に1500円はかけられませんから。

|ピッチは事業を改めて客観視する機会になった

――MiYO Organic として「Rocket Pitch Night Autumn 2021」に参加されたわけですが、何かきっかけがあったのでしょうか?

以前からVenture Café TokyoのThursday gatheringには時々、参加していました。そこで竹歯ブラシの話をしていたら、Venture Café Tokyoプログラム・ディレクターの小村隆祐さんにRocket Pitch Nightについてご紹介いただいたんです。以前、食器関連の事業の方で、他のピッチイベントに出場したことはあるのですが、しばらくピッチはしていなかったので「久しぶりにちょっとやってみようかな」という軽い気持ちで応募を決めました。

出場が決まって実際に準備を始めるとその大変さに気づきました。決められた時間内に短い言葉で自分たちのことをきちんと伝え、よさをわかってもらうのはとても難しいことだと改めて感じました。それは決して悪いことではなく、自分たちが行っている事業を俯瞰してまとめるすごくいい機会になったと思います。

――具体的にはどのような準備をされたのでしょう?

Venture Café TokyoのYouTubeチャンネルに前回のRocket Pitch Nightの出場者が自分たちの体験を解説しているビデオがアップされていてそれを参考にしました。最初はどうやって作っていこうか迷うものですが、注意すべきポイントやコツなどを実際に出場した人が丁寧に伝えてくださっていて、それを何度も見て作りこんでいきました。こういうものを事前に見ているかいないかでは結構差がつくかもしれません。

――実際に出場してみて、いかがでしたか?

実は私、失敗してしまったんです。スライドが上手く動作しなかったり、時間が少しオーバーしてしまったり。でもコメンテーターの方たちから暖かいアドバイスなどをいただき、ありがたかったです。また私はオンラインではなく現地参加をしたのですが、スタートアップの人たちはもちろん、支援する人、自治体の方など、とにかくいろんな人たちが集まっていて、短時間でいろんなご縁が生まれて、そういう化学反応がすごいと感じました。

|Rocket Pitch Nightで得たご縁が化学反応を起こした

――Rocket Pitch Nightに出場したことがきっかけでスギ薬局さんと提携が決まったと聞いています

私が出場したグループのコメンテーターに藤田豪さん(株式会社MTG Ventures 代表取締役)がいらしたんです。私のピッチに対して「例えばスギ薬局さんに商品を展開してはどうか」というようなコメントをいただきました。ピッチの後、 ネットワーキングの場でも藤田さんとお話しし、スギ薬局さんとの提携に興味があると言ったら「じゃあ紹介するよ」と、本当に紹介していただけたんです。後日、私の方からスギ薬局さんに直接コンタクトを取り「打ち合わせをしましょう」という話になったので、台湾からのオンライン参加も含めて6名でミーティングさせていただくことに!

――Rocket Pitch Nightに出場したのが2021年11月11日。スギ薬局さんでMiYO Organicさんの竹歯ブラシの販売がスタートしたのが2022年5月。かなり順調に話が進んだようですね。

すごくタイミングがよかったといえます。ちょうどスギ薬局さんの方もサステナビリティに重きを置き、そういう商品を増やしていこうという時期で、かなりのスピード感を持って取り組んでいらっしゃいました。当社もそれについて行こうと必死でした。

ただ、最初に藤田さんのご紹介があったことは大きいと思います。私が何の紹介もなくいきなりスギ薬局さんに電話をしても、こんなに順調に話は進まなかったでしょう。私たちだけでは短期間にここまではできなかったはず。藤田さんからいただいたご縁が化学反応を起こしたのだと思っています。

――スギ薬局さんとの提携で苦労した点などがあれば教えてください

今まで私たちが展開していたビジネスはB to Bで、今回初めて本格的に一般消費者向けの市場に踏み込むことになりました。ですので、ゼロから勉強させたもらった部分はかなりあります。例えば、「ドラッグストアでの陳列」に関する知識もノウハウもないわけです。そういう何も知らないところから商品の陳列や展示などに使う什器を作ってくれるところを探すなど、文字どおり一から始めました。基本的には什器はこちらで用意しなければならないのですが、今回はスギ薬局さんの方でディスプレイをご用意いただくこともありました。

納品時のルールなど、今まで携わってきた業界とは異なる慣習があり、新しい業界には新しい業界のルールがあることを実感しました。かなり色んなことを学ばせてもらいましたね。スギ薬局さんには助言をいただきながら育てていただいた感じで、本当に感謝しています。

――今後はどのような事業計画をお持ちですか?

MiYO Organicでは竹を中心にプロダクトを構成していましたが、竹に限定せず、いろんな新しい技術を使って一般消費者向けのラインナップを増やしていきたいと思っています。その一つが22年4月から予約販売を開始した「歯磨きペーパー」です。歯磨き粉をペーパー状にすることで、パッケージにも紙を使用することに成功しました。このほかにも脱プラスチックの歯ブラシキャップも開発中です。

さらに、プロダクトだけではなく生産の仕組みのところから循環社会を目指していきたいと考えています。私たち一社でできることは限られているので、自治体さんや他の事業者さんと連携しながら、長期的視点に立った循環の輪を作ることにチャレンジしたいと思っています。

また、グローバル市場にも参入したいと考えています。

|予想しないご縁があり、次につながる何かがある

――Venture Café Tokyoのどういうところに魅力を感じますか?

“世界を感じられる”ところでしょうか。私自身、外国人の友人が多いこともありVenture Café Tokyoの空気感はとても心地がいいんです。日本国内でビジネスをしていると視野が狭まくなることがありますが、Venture Café Tokyoに行くとセッションの登壇者も参加者もインターナショナルに活躍されている人が多く、グローバルな視野を持つことができます。いろんな方面で活躍している人がいっらっしゃるので刺激もたくさんもらえます。私が知らないだけかもしれませんが、日本でスタートアップ系の集まりでVenture Café Tokyoのようにインターナショナルなコミュニティは他にはないんじゃないでしょうか。

――Rocket Pitch Nightに参加しようと思っている人にアドバイスはありますか?

迷っているなら絶対に出た方がいいと思います!

自分が予想していないようなご縁があります。私の場合もRocket Pitch Nightに出場することで普段はなかなか接する機会のないコメンテーターの方とお会いし、お話しするチャンスがあり、それが今の結果につながっています。出場する前は想像できなかった展開がありました。

また、ピッチ以外のネットワーキングのパートもあわせてRocket Pitch Nightだと考えた方がいいですね。自分のピッチが終わったら帰るのではもったいない。Rocket Pitch Nightは様々な人が集い、熱量がある場。セレンディピティというか、次につながる何かを見つけられる場所だと思います。

◆「Rocket Pitch Night」とは

過去5回(2019, 2020, 2021春・秋, 2022)開催のVenture Café Tokyoのシグネチャーイベント。2022年春のイベントでは108組の登壇者に加え、Venture Caféグローバル史上最大動員となる1,020名の参加者を集めました。

登壇者に対しては3分 & 3スライドというピッチフォーマットをもとに、ビジネスアイデアを世に問い、周囲を巻き込む、あるいはシンプルに起業に向けた最初の一歩を踏み出す機会を提供します。

当日は、経験豊富なコメンテーター陣やオーディエンスからのフィードバックコメントを得られる機会を用意します。

また、同時に当日来場いただいたオーディエンスのみなさんには世の中を変えうる新たなアイディアや才能と出会う機会を提供します。

◆Venture Café Tokyoについて/ About Venture Café

Venture Café Tokyoは”Connecting innovators to make things happen”をミッションに掲げ、各種プログラミング・イベントを通じてベンチャー企業・起業家・投資家を繋げることで、世界の変革を促すイノベーションの創出を狙いとする組織です。Thursday Gatheringは毎週木曜日16時-21時に開催されるVenture Café Tokyoのフラッグシップ・イベントです。教育セッションや安全で快適なネットワーキング空間の提供を通じて、多様な人々が集う場を提供し、上記のミッション達成を図ります。

http://venturecafetokyo.org/

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今回は開発学を学ぶ学生であり、TSUKUBA CONNÉCTのアンバサダーを務める旗手有菜(はたて・ありな)さんにお話をうかがいます。Venture Caféと関わることで、“あること”へのモチベーションが高まったといいます。どんなHappenがあったのでしょうか?

|考えるより行動することがポリシー

――まずは簡単な自己紹介をお願いします。

この3月に卒業になりますが、筑波大学の国際総合学類の4年生です。専攻は国際開発学で、ジェンダーとその経済関係について勉強しています。

出身は広島県です。筑波大学は社会・国際学群が有名で、私は将来、国際的な舞台で様々な国の人たちと一緒に働きたいという夢があったので筑波大学を選びました。

――大学内外で様々な活動をしていらっしゃるようですね

大学内の活動としては、1年生と2年生の時にNPO のプロジェクトでベトナムとネパールにそれぞれ約2週間ホームステイをしました。

また、筑波大学の中で「ジェンダークラブ」というサークルを立ち上げ、そこでジェンダーについて話し合ったり、国に署名を提出したり、サークルで話し合ったことをYouTube で配信したりなどしています。

2021年には筑波大学のミスコン「TSUKUBA COLLECTION2021」にも参加し、グランプリもいただきました。

大学外の活動としては4年間でインターン8社を経験しました。4社はベンチャー企業など、4社はNPO関係で、国連でのインターンも経験しています。また、ビジネスコンテストに出場したり、起業家を目指す人のためのセミナーなどにも参加しました。

――幅広く精力的に活動されていますが、何か理由はあるのでしょうか?

私は「考えるより行動すること」をポリシーとしており、「暇はあるものではなく自分で作るもの」だという考えも持っています。例えば30分でも空いている時間があるなら、いろんなところに少しでも顔を出すようにしています。

――Venture Café Tokyo TSUKUBA CONNÉCTのアンバサダーもしていらっしゃいますよね。

TSUKUBA CONNÉCTがスタートして3カ月目くらいの2020年秋から参加しています。大学で起業に関する授業を取っていたのですが、そこでVenture Café TokyoがTSUKUBA CONNÉCTを創設し、アンバサダーを募集しているという情報をキャッチしたんです。面白そうだからやってみようと思ったのがきっかけです。

|Venture Caféは自分で行動を決めることができる

――具体的にどのような活動をしていますか?

TSUKUBA CONNÉCTのFacebookページに投稿をしたり、月2回開催されるイベントの運営のお手伝いなどをしています。

TSUKUBA CONNÉCTの主旨や楽しみ方などをレクチャーする「How to enjoy TSUKUBA CONNÉCT」というセッションの進行を任せてもらったこともあります。その枠の中で英語を使ったプチセッションのようなものを企画してやらせてもらったこともあります。ただ、日本人の方は英語を話すことにためらいを感じる人も多く、こちらが話を振っても返答してくれなかったりするので、スムーズに進行するための題材づくりなどに苦心しました。

また、ジェンダーについて発信したいことがあるならこの場で試してみてはどうかということで、バーチャル・ネットワーキングスペースに「Arina’s room」というスペースを設けてもらい、ここを訪れてくださった方に対してジェンダーについてお話しました。これは一時的なものだったのですが、できれば定期的に本格的なセッションを開催し、ジェンダーに関する想いのある人がもっとたくさん集まれるような場を構築できたらいいなと思っています。

Venture Caféでは「こういうことをやりたい」という希望を言えば、実際にやらせてもらえることが多いと感じます。与えられた仕事をこなすのが一般的なインターンだとすると、Venture Caféは自分で行動を決めることができるのが大きな違いだと思います。他のアンバサダーもみんなモチベーションが高いですし、とてもやりがいがあり楽しいです。

――英語が得意とおっしゃいましたが、英語力はどのように身に着けたのでしょう?

子どもの時から英語には親しみがありました。例えば、通っていた幼稚園で英語のレッスンがあったり、小学生の時はALT(外国語指導助手)で学校に来た先生と毎日のように給食を一緒に食べたりするなどしていました。ただ、長期に海外に滞在した経験はなく、高校の時に一か月間ハワイとフィリピンに行ったくらいです。

英語力が大きくアップしたのは大学に入ってからだと思います。積極的に留学生の友達を作り、放課後に一緒にご飯に行ったりするうちに、英語で話をしなければならない環境が自然と増えていきました。

|将来はジェンダーに関する途上国支援をしたい

――ジェンダー問題に関してとても思い入れが強いようですが、そもそも興味を持つようになったきっかけは何でしょう?

ジェンダーを意識するようになった最初のきっかけは、子供のころに両親に言われた言葉です。私には兄と弟がいるのですが、私だけ「有菜は家事をしなさい」と言われるんです。どうして兄と弟には言わないのか聞いたところ、兄と弟は男の子だけど「有菜は女の子だから」という答えが返ってきました。なぜ家事は女の子がするものなのかしっくりこなくて、その違和感が今につながっています。

――筑波大学を卒業後は、イギリスでジェンダーと開発学について学ぶ予定だそうですね

開発学はイギリスが発祥とされていますし、ジェンダーという観点ではアメリカよりヨーロッパの方が先進的です。サハラ以南のアフリカをフィールドにしたいと考えていることもあり、イギリスの大学院に進学予定です。この秋から大学院で学べるように、現在、オックスフォード大学やサセックス大学などに出願中です。

自分のキャリアプランとしては、イギリスの大学院でジェンダーと開発について勉強した後、まずは海外の NGO などに就職し、その後は国連に就職してジェンダーに関する途上国支援をしたいと思っています。そして、ある程度の経験を積んだら起業し、ジェンダーに関する問題を、より多くの人がより話しやすくできる環境を作っていきたいと思っています。

|将来は起業するというモチベーションが高まった

――TSUKUBA CONNÉCT でアンバサダーをしたことで「将来は起業する」という目標が固まったと聞いています。

祖父も自分で事業を興しているので、私自身も起業に対する抵抗感のようなものはなく、以前から起業に対する興味はありました。とはいえ、自分には起業なんて難しそうだとも思っていました。大学の友人たちの間では「大企業に入社するのが正解」というような風潮が根強いですし、起業という選択肢をあまり身近には考えられなかったんです。

通常の大学生活では、すでに起業していたりこれから起業を予定していたりなど、起業に強い熱意を抱いている人たちに接する機会はほとんどありません。でもVenture Caféでは本当にいろんな人たちに会うことができます。しかもみんなレベルがすごく高いんです。そういう人たちと関わりを持つことで、「自分でも起業にチャレンジできるんじゃないか」「将来は絶対に起業しよう」という思いが強くなりました。

一般のイベント参加者としてVenture Café TOKYOのThursday gatheringやTSUKUBA CONNÉCTに遊びに来るだけでもいろんな人たちと会うことはできますし、セッションを聴いているだけでも知見を深めることにつながります。でもアンバサダーとして参加すればより主体的に関わることになります。アンバサダーだからこそ「起業したい」というモチベーションを保つことができたと感じます。

――起業へのモチベーションが高まったこと以外にVenture Caféに関わったことで変化はありましたか?

自分が身を置く環境に気を使うようになりましたね。大学の友人、知人の中には勉強を怠けて留年したことを自慢するような人もいますし、将来の展望もなく何となく就職を決める人もいます。人間はラクな方に流れやすいので、そうならないためには自分を高めていけるように周りの環境を作っていくことが大切だと思うようになりました。具体的には、高い志やマインドを持った人たちと仲間になるということです。それに気づくことができたのはVenture Caféのおかげだと思います。強いマインドを持った人たちが多いので私自身もインスパイアされました。Venture Caféに出会うことができてとてもラッキーだったと思います。

◆Venture Café Tokyoについて/ About Venture Café

Venture Café Tokyoは”Connecting innovators to make things happen”をミッションに掲げ、各種プログラミング・イベントを通じてベンチャー企業・起業家・投資家を繋げることで、世界の変革を促すイノベーションの創出を狙いとする組織です。Thursday Gatheringは毎週木曜日16時-21時に開催されるVenture Café Tokyoのフラッグシップ・イベントです。教育セッションや安全で快適なネットワーキング空間の提供を通じて、多様な人々が集う場を提供し、上記のミッション達成を図ります。

http://venturecafetokyo.org/

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左からLeaBio浜中さん、SUSTAINABLEME後藤さん、LEO SCIENCE & TECH HUB黒田さん

回を重ねるごとに規模を拡大し、今や日本最大級のピッチイベントにまで成長したVenture Café Tokyo主催の「Rocket Pitch Night」。2021年には年2回開催となり、4月に開催されたロケットピッチに登壇した2組のスタートアップが、コメンテーターを介してコラボ。新たなHappenが生まれたといいます。

今回はヘルスケア系スタートアップ「Lea Bio(レアバイオ)」代表取締役社長の浜中康晴さん、「SUSTAINABLEME(サステナブルミー)」代表取締役の後藤友美さん、そしてVenture Café Tokyoが開催する様々なセッションに登壇し、「Rocket Pitch Night」のコメンテーターとしても活躍する黒田垂歩さんにお話をうかがいました。

|Rocket Pitch Nightの登壇者同士がコラボ

――まずはそれぞれの自己紹介をお願いします。浜中さんの会社「Lea Bio」のホームページを見ると「デジタルの力で世界の子どもに質の高い医療を届ける」ことを標榜されていますが起業のきっかけなどを聞かせてください。

浜中 私は大学卒業後、理学療法士としてリハビリテーションの仕事をしていたのですが、その後ジョブチェンジして製薬メーカーやバイオベンチャーに勤務していました。バイオベンチャーで働いていた時にベトナムの研究者などと知り合う機会があり、ベトナムの医療格差を目の当たりにしたんです。

ベトナム戦争の影響で奇形児として生まれてきた子供たちが病院の前で物乞いをしている姿を見た時に衝撃を受け、「この子たちを救いたい」と心が奮い立ったのが起業のきっかけです。私と同じような思いを抱き、ベトナムの医療事情にも詳しい共同創業者の松村との出会いもあり、2019年8月に日本で「Lea Bio」を設立しました。2022年にはベトナム法人を作る予定です。

――後藤さんの会社「SUSTAINABLEME」は、産前産後の当事者とサポーターをつなぐオンラインサービス「rubans」を運営されていますが、どのような経緯でサービスを展開することになったのでしょう?

後藤 私は10年ほど前から周産期リハビリテーションの仕事に従事しており、お母さんや妊産婦さんたちの身体のケアをしていました。私自身も2013年に第一子を出産したのですが出産後3ヶ月で離婚を経験し、その後、産後うつになってしまったんです。その時、私を救ってくれたのは「人との関り」でした。

自分自身が産後うつの当事者であると同時に周産期現場にかかわる医療従事者でもあり、双方の状況や思いがわかります。お母さんたちが孤独になる原因は何だろうと考えた時、専門家などのサポーターとお母さんたちがうまく繋がっていないというところに社会課題を感じ、お母さんたちとサポーターをつなぐオンラインプラットフォームをまずは作りたいと思いました。2020年に京都で開催された「京のヘルスケアインキュベーションプログラム」に応募し最優秀賞に選ばれたことをきっかけに2021年1月15日に創業しました。

――お二人とも2021年4月に開催された「Rocket Pitch Night」に登壇され、そこで黒田さんがコメンテーターをなさっていたんですよね。

黒田 はい。私はデンマークに本社を置く皮膚疾患領域に特化した製薬企業・レオファーマに属しておりまして、「LEO Science & Tech Hub」というイノベーション創出部門のシニアディレクターをしています。イノベーションエコシステムの形成に関わる様々なアクセラレーションプログラムにも関わっており「Rocket Pitch Night」のコメンテーターもその活動の一つです。日ごろから数多くのスタートアップに接する機会があり、どうやったらその人たちに貢献できるか日々、自問自答しています。今回は素晴らしい二人の起業家を繋ぐことができてとてもうれしく思っています。

|互いのアイディアが触れ合うことで化学反応が起きた

――「Rocket Pitch Night」自体は1日限りのイベントですが、その後も3人が密に関わるようになったいきさつは?

浜中 「Rocket Pitch Night」に出場後、黒田さんにはアドバイザーになっていただき定期的にメンタリングをしていただいています。私も共同創業者の松村も経営に関しては素人なので、以前から第三者のアドバイスが必要だと感じていました。

後藤さんとのコラボに関しては、弊社が開発中のアプリをテストするにあたり黒田さんに相談したのがきっかけです。ベトナム人も日本人もお母さんたちが抱えている問題は共通するものがあるんです。まずは日本でテストをしたいと考え、どなたか協力してくれそうな方はいないかと黒田さんに相談したところ「いい人を知っている」とご紹介いただいたのが後藤さんです。まさにドンピシャのマッチングでした。

後藤 私の方は「Rocket Pitch Night」直後に黒田さんと少しお話しさせていただいて以降、しばらく間があったので、コラボの話をいただいた時は「私のことを覚えてくださっていたんだ」ということがまずはとてもうれしかったですね。また、浜中さんも私もリハビリの専門家というバックグラウンドであることにも運命を感じました。

――具体的にはどのようなコラボレーションが進んでいるのでしょう?

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