HAPPEN #16: 旗手 有菜さん(TSUKUBA CONNÉCTアンバサダー)
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今回は開発学を学ぶ学生であり、TSUKUBA CONNÉCTのアンバサダーを務める旗手有菜(はたて・ありな)さんにお話をうかがいます。Venture Caféと関わることで、“あること”へのモチベーションが高まったといいます。どんなHappenがあったのでしょうか?
|考えるより行動することがポリシー
――まずは簡単な自己紹介をお願いします。
この3月に卒業になりますが、筑波大学の国際総合学類の4年生です。専攻は国際開発学で、ジェンダーとその経済関係について勉強しています。
出身は広島県です。筑波大学は社会・国際学群が有名で、私は将来、国際的な舞台で様々な国の人たちと一緒に働きたいという夢があったので筑波大学を選びました。
――大学内外で様々な活動をしていらっしゃるようですね
大学内の活動としては、1年生と2年生の時にNPO のプロジェクトでベトナムとネパールにそれぞれ約2週間ホームステイをしました。
また、筑波大学の中で「ジェンダークラブ」というサークルを立ち上げ、そこでジェンダーについて話し合ったり、国に署名を提出したり、サークルで話し合ったことをYouTube で配信したりなどしています。
2021年には筑波大学のミスコン「TSUKUBA COLLECTION2021」にも参加し、グランプリもいただきました。
大学外の活動としては4年間でインターン8社を経験しました。4社はベンチャー企業など、4社はNPO関係で、国連でのインターンも経験しています。また、ビジネスコンテストに出場したり、起業家を目指す人のためのセミナーなどにも参加しました。
――幅広く精力的に活動されていますが、何か理由はあるのでしょうか?
私は「考えるより行動すること」をポリシーとしており、「暇はあるものではなく自分で作るもの」だという考えも持っています。例えば30分でも空いている時間があるなら、いろんなところに少しでも顔を出すようにしています。
――Venture Café Tokyo TSUKUBA CONNÉCTのアンバサダーもしていらっしゃいますよね。
TSUKUBA CONNÉCTがスタートして3カ月目くらいの2020年秋から参加しています。大学で起業に関する授業を取っていたのですが、そこでVenture Café TokyoがTSUKUBA CONNÉCTを創設し、アンバサダーを募集しているという情報をキャッチしたんです。面白そうだからやってみようと思ったのがきっかけです。
|Venture Caféは自分で行動を決めることができる
――具体的にどのような活動をしていますか?
TSUKUBA CONNÉCTのFacebookページに投稿をしたり、月2回開催されるイベントの運営のお手伝いなどをしています。
TSUKUBA CONNÉCTの主旨や楽しみ方などをレクチャーする「How to enjoy TSUKUBA CONNÉCT」というセッションの進行を任せてもらったこともあります。その枠の中で英語を使ったプチセッションのようなものを企画してやらせてもらったこともあります。ただ、日本人の方は英語を話すことにためらいを感じる人も多く、こちらが話を振っても返答してくれなかったりするので、スムーズに進行するための題材づくりなどに苦心しました。
また、ジェンダーについて発信したいことがあるならこの場で試してみてはどうかということで、バーチャル・ネットワーキングスペースに「Arina’s room」というスペースを設けてもらい、ここを訪れてくださった方に対してジェンダーについてお話しました。これは一時的なものだったのですが、できれば定期的に本格的なセッションを開催し、ジェンダーに関する想いのある人がもっとたくさん集まれるような場を構築できたらいいなと思っています。
Venture Caféでは「こういうことをやりたい」という希望を言えば、実際にやらせてもらえることが多いと感じます。与えられた仕事をこなすのが一般的なインターンだとすると、Venture Caféは自分で行動を決めることができるのが大きな違いだと思います。他のアンバサダーもみんなモチベーションが高いですし、とてもやりがいがあり楽しいです。
――英語が得意とおっしゃいましたが、英語力はどのように身に着けたのでしょう?
子どもの時から英語には親しみがありました。例えば、通っていた幼稚園で英語のレッスンがあったり、小学生の時はALT(外国語指導助手)で学校に来た先生と毎日のように給食を一緒に食べたりするなどしていました。ただ、長期に海外に滞在した経験はなく、高校の時に一か月間ハワイとフィリピンに行ったくらいです。
英語力が大きくアップしたのは大学に入ってからだと思います。積極的に留学生の友達を作り、放課後に一緒にご飯に行ったりするうちに、英語で話をしなければならない環境が自然と増えていきました。
|将来はジェンダーに関する途上国支援をしたい
――ジェンダー問題に関してとても思い入れが強いようですが、そもそも興味を持つようになったきっかけは何でしょう?
ジェンダーを意識するようになった最初のきっかけは、子供のころに両親に言われた言葉です。私には兄と弟がいるのですが、私だけ「有菜は家事をしなさい」と言われるんです。どうして兄と弟には言わないのか聞いたところ、兄と弟は男の子だけど「有菜は女の子だから」という答えが返ってきました。なぜ家事は女の子がするものなのかしっくりこなくて、その違和感が今につながっています。
――筑波大学を卒業後は、イギリスでジェンダーと開発学について学ぶ予定だそうですね
開発学はイギリスが発祥とされていますし、ジェンダーという観点ではアメリカよりヨーロッパの方が先進的です。サハラ以南のアフリカをフィールドにしたいと考えていることもあり、イギリスの大学院に進学予定です。この秋から大学院で学べるように、現在、オックスフォード大学やサセックス大学などに出願中です。
自分のキャリアプランとしては、イギリスの大学院でジェンダーと開発について勉強した後、まずは海外の NGO などに就職し、その後は国連に就職してジェンダーに関する途上国支援をしたいと思っています。そして、ある程度の経験を積んだら起業し、ジェンダーに関する問題を、より多くの人がより話しやすくできる環境を作っていきたいと思っています。
|将来は起業するというモチベーションが高まった
――TSUKUBA CONNÉCT でアンバサダーをしたことで「将来は起業する」という目標が固まったと聞いています。
祖父も自分で事業を興しているので、私自身も起業に対する抵抗感のようなものはなく、以前から起業に対する興味はありました。とはいえ、自分には起業なんて難しそうだとも思っていました。大学の友人たちの間では「大企業に入社するのが正解」というような風潮が根強いですし、起業という選択肢をあまり身近には考えられなかったんです。
通常の大学生活では、すでに起業していたりこれから起業を予定していたりなど、起業に強い熱意を抱いている人たちに接する機会はほとんどありません。でもVenture Caféでは本当にいろんな人たちに会うことができます。しかもみんなレベルがすごく高いんです。そういう人たちと関わりを持つことで、「自分でも起業にチャレンジできるんじゃないか」「将来は絶対に起業しよう」という思いが強くなりました。
一般のイベント参加者としてVenture Café TOKYOのThursday gatheringやTSUKUBA CONNÉCTに遊びに来るだけでもいろんな人たちと会うことはできますし、セッションを聴いているだけでも知見を深めることにつながります。でもアンバサダーとして参加すればより主体的に関わることになります。アンバサダーだからこそ「起業したい」というモチベーションを保つことができたと感じます。
――起業へのモチベーションが高まったこと以外にVenture Caféに関わったことで変化はありましたか?
自分が身を置く環境に気を使うようになりましたね。大学の友人、知人の中には勉強を怠けて留年したことを自慢するような人もいますし、将来の展望もなく何となく就職を決める人もいます。人間はラクな方に流れやすいので、そうならないためには自分を高めていけるように周りの環境を作っていくことが大切だと思うようになりました。具体的には、高い志やマインドを持った人たちと仲間になるということです。それに気づくことができたのはVenture Caféのおかげだと思います。強いマインドを持った人たちが多いので私自身もインスパイアされました。Venture Caféに出会うことができてとてもラッキーだったと思います。
◆Venture Café Tokyoについて/ About Venture Café
Venture Café Tokyoは”Connecting innovators to make things happen”をミッションに掲げ、各種プログラミング・イベントを通じてベンチャー企業・起業家・投資家を繋げることで、世界の変革を促すイノベーションの創出を狙いとする組織です。Thursday Gatheringは毎週木曜日16時-21時に開催されるVenture Café Tokyoのフラッグシップ・イベントです。教育セッションや安全で快適なネットワーキング空間の提供を通じて、多様な人々が集う場を提供し、上記のミッション達成を図ります。