Image for post
Image for post

”デートに行く時に「ご飯、何食べる?」や「映画何見る?」ぐらいの感覚で、性についてもカップルの間で気軽に話せる未来をつくりたいなと思っています。”

起業家はどのようにその想いを磨き、その想いを確かにこの世界で具現化していくのでしょうか?今回は、学生時代に感じた「性」に対する認識に関する違和感から「行動」を通じて多くの人を巻き込みながら2019年12月23日にSeek HというプロダクトをリリースしたGENESISの高島菜芭(たかしまなは)さんにお話をお伺いしました。

最初に自己紹介とGENESISについてお伺いさせてください。

今は人材系の会社で働きながら、GENESISを副業としてやっている高島菜芭です。GENESISは「性のリブランディングと課題解決を行う」というミッションをもとに活動を行っています。GENESISとしてはこれまでは大学などの教育機関で延べ1,000人以上の方々に対して性教育についてのワークショップを開催するなど啓発活動をしてきました。そして、その活動から得た課題意識をもとに、現在はSEEK Hというサービスを展開しています。SEEK Hは公式LINEを友達追加してなかよしマスター「ももペン」から送られてくる質問にカップルで回答するとももペンがアドバイスをしてくれるサービスです。セックスについての価値観や好みをすり合わせることで、お互いを思いやる・より仲良くなることができます。クリスマスイブにあわせて2019年12月23日にリリースしたところ、想定以上の利用者のため一日でストップしてしまったのですが、現在は復旧しています。

それまでの啓発的な活動で得られた課題意識をもとにSeek Hをはじめられたとのことなんですが、それはどのようなことがきっかけだったんでしょうか?これまでの歩みや問題意識を教えてください。

大学生の時にイギリスに1年間留学した経験がきっかけでした。イギリス人の女性って性についてオープンに話すんですね。カップルの間でも避妊とか同意とか日本だと話しづらいことも話すし、セックスにおけるコミュニケーションが義務教育を通じてしっかり教えられているんです。一方日本では、性そのものがなんだかタブーになっているし、性が男性主体のものになっているなという感覚がしてそこを変えたいと思ったんです。

デートに行く時に「ご飯、何食べる?」や「映画何見る?」ぐらいの感覚で、性についてもカップルの間で気軽に話せる未来をつくりたいなと思っています。なぜかというと、そうすることで、2人の間で信頼関係も築けて、より幸せな性生活も過ごせるからです。そしてデートDVやカップル間の性暴力を防げると思っています。

それで、先ほど言ったように最初は大学の教授から依頼をもらって性教育に関するワークショップを行いはじめました。ワークショップは参加者に好評で手ごたえを感じていた一方で、ワークショップに来てくれる人はすでに意識が高いんですね。ワークショップに参加してくれるような性教育に関心のある層とそうでない無関心層の分断を感じました。そこで、性教育が本当に必要な層に届いていないなという課題意識が生まれました。

それでVenture Café Tokyoが2019年9月に開催したRocket Pitch Nightに参加したのですね。

はい、それでより一般向けに伝えたくてRocket Pitch Nightに参加しました。全然ビジネスサイドの人と関わることがなかったので、信頼している先輩から勧められたこともあり参加してみることにしました。あとは3分のピッチだったので、ハードルも低いなと思って。教育みたいなのもテーマに入っていったので、ちょっと参加してみようかと思ったんです。

そうしたら、たまたま(株式会社)メンヘラテクノロジーの社長のらんらんさんがピッチを見てくれました。らんらんさんは、「幸せに病める世界をつくる」という思いをもとに活動をされている方です。ピッチの時は挨拶だけだったんですが、後日改めて打ち合わせをして、GENESISが企画でメンヘラテクノロジーが開発という形でセックス×テクノロジーで何か一緒にやりましょうという話になりました。打ち合わせをしたらブレスト的にアイデアがたくさん出てきて、そのまま約3カ月でSeek Hをリリース、となりました。

私の場合、これまで性教育関連のアクティビティストとかと話をすることが多かったんですが、らんらんさんと話してみて、ITを使って課題解決しているところに刺激を受けたし、自分と同世代というところにも影響を受けました。ぱっと見、二つの団体って違うように見えるんですけど、裏テーマ的に共通する部分があって、違う強みを持っていて、なんかオモシロそうだなと思ったんです。

Rocket Pitch Nightではらんらんさんに加えて、別の出会いもあったとお伺いしましたが。

はい、Rocket Pitch Nightでは審査員をしていたSLP(Startup Leadership Program)代表理事の新村さんとも知り合いました。SLPは毎年4ヶ月に亘って開催される起業家の最初の一歩を支援するプログラムを提供する団体なのですが、新村さんにはピッチの審査をしてもらった後に話しかけて、「どうやったら収益化できるのか?」、「どうやったら無関心層にリーチできるのか?」という悩みを相談したんです。これまでメディアにGenesisの活動を取り上げていただくこともありましたが、共感されずにネットでめちゃくちゃ炎上したこともありましたし。。それで、SLPを紹介されて、入りました。深い理由はないんですけど、とりあえず入ってみました。

ビジネスについて何も知らなかったので、SLPではリーンスタートアップなどのスタートアップの考え方を学びつつ、どうやったら自分の思いをビジネスとして形にできるのか、人に伝わるのかということを考えました。SLPの参加を通じて、自分の想いと現実の両面でバランス感覚が持てるようになったと思います。印象深い思い出は、SLPのメンターの方に「君は性教育界隈の中にとどまるのか、無関心層にアプローチして本当に社会を変えるサービスをつくりたいのか?」という問いを突きつけられたことでした。

仮説検証のためのインタビューをしながら課題を検討する中で、自分のスタンスがクリアになってきたんです。その結果生まれたのが、「性をリブランディング」するというミッション。自分の役割は性暴力という現象に対してアプローチするのではなく、その根幹にある「性のタブー」という認識の問題にアプローチすることだと。そして、その先に課題解決ができると思いました。

いまはプロダクトをリリースしたところだと思いますが、この先に向けてどのようなビジョンを描いているのですか?

まずは、Seek Hのユーザー数を伸ばすところ、「セックスについて話すのは恥ずかしい」と思っているような人でも使えるサービスを目指したいと思っています。そして、ボランティア的にやる中で限界を感じていたこともあったので、事業の持続可能性と収益化には拘りたいです。やはりリソースがないとスケールすることをはできないので。その先には、セックスについて話すのが当たり前の世界をつくりたい。コミュニケーションのあるセックスで、幸せな性生活を送ってほしいと思っています。

最後に、みなさんへのメッセージをお願いします

まずは、飛び込んでみるのが大切だと思います。最初はRocket Pitch Nightに参加するのもびびったけど、そこから色々な出会いがあって、結果的に参加してよかったです。共感してくれた人がいたのは、本当に嬉しかったです。社会起業家の方を含めて仲間を見つけたい人はたくさんいると思いますが、素直な思いをぶつけるのは本当に大事だと思います。

ありがとうざいました!

◆Venture Café Tokyoについて/ About Venture Café

Venture Café Tokyoは”Connecting innovators to make things happen”をミッションに掲げ、各種プログラミング・イベントを通じてベンチャー企業・起業家・投資家を繋げることで、世界の変革を促すイノベーションの創出を狙いとする組織です。Thursday Gatheringは毎週木曜日16時-21時に開催されるVenture Café Tokyoのフラッグシップ・イベントです。教育セッションや安全で快適なネットワーキング空間の提供を通じて、多様な人々が集う場を提供し、上記のミッション達成を図ります。

http://venturecafetokyo.org/

Written by

Innovation Community Builder in Tokyo.

Get the Medium app

A button that says 'Download on the App Store', and if clicked it will lead you to the iOS App store
A button that says 'Get it on, Google Play', and if clicked it will lead you to the Google Play store