左からbajji 多田さん、インターン マイケルさん、CEO小林さん、Crewwの永野さん

「世界のどこでも生きていける人間になりたい」

17歳のドイツの空の下で感じた衝動から始まったシリアル・アントレプレナーとしての旅。シンガポール、インドネシア、日本と国内外で7社創業してきて7社目となるbajji。起業家としてアジアをまたにかけてきたその経験はどのようなものだったのでしょうか?また、bajjiが目指す「本来webが実現可能な繋がり」とは一体どのようなものなのでしょうか?bajjiの創業者兼CEOである小林さんにお話をお伺いしました。

最初にご自身の紹介とbajjiについて教えて下さい。

はい、小林槙和(こばやし のりたか)と言います。大阪生まれ大阪育ちで、新卒は野村総研で経営コンサルとして9年働き、そのあとGREEというソーシャルゲームのベンチャーで海外展開の責任者をやってました。GREEシンガポールを立ち上げて、シンガポールに移住。その後、2012年にシンガポールで起業してからシンガポールで3社、インドネシアで2社、日本で2社、会社をつくってきました。現在の”bajji”は7社目です。

“bajji”はブロックチェーンを使ったSNSです。bajjiの特徴はリアルで合わないと繋がれないんですね。リアルで繋がった関係をwebにもっていって、人と人との関係や信頼性、誰が誰を頼りにしているかを可視化します。

二つ目の特徴は、サービス名と同じ”bajji”と呼ばれる認証を贈りあうことで、人を褒めたいという気持ちをプラットフォームで相互に贈り合います。”bajji”の取得は無料ではなく、有料になっています。そして、頑張って”bajji”を贈ったり、貰ったりしている(=プトッフォームに対して貢献している)と、その一連の取引から生まれた売り上げの半分が特に貢献度の高いユーザーに還元される仕組みになっています。

この後もう少し詳しく話をすると思いますが、それは別の言い方をすれば、本来Webで実現可能な人と人のリアルな繋がりを実現しようとしているとも言えます。

なるほど。では、そのbajjiを始めるに至った経緯はどのようなものだったのでしょうか?

それは、そもそもなぜ起業かというところから話したいと思います。私が起業家になった背景には、二つの原体験がありました。一つ目は17歳の時に、ドイツに行ったのですが、英語が通じないということに打ちのめされた経験です。世界のどこでも生きていける人間になりたいなと思って、大学に入った後はそれでバックパッカーになって30カ国くらいを旅しました。世界に打って出ていかないといけないなと思ったんです。

二つ目は、33歳の時、無電化村でNPOを手伝っていて、そこで村長の家に泊めてもらったんですね。それでその村を歩いていると、道端に座っているおじいさんが、手に持っている携帯を指差しながら「Hey you Japan. Japan is great」って言ってくれたんです。それですごい衝撃をうけました。無電化村のおじいさんにまで、日本のすごさを与えてきた先輩たちはなんて偉大なんだと。このままじゃいけない。もう一度何かを変えないといけないと思ったんです。まぁその携帯はNOKIAだったんですけど。笑

そうこうしてるうちに、野村総研からGREEに移り、日本からシンガポールに移り住みました。それで起業しようと思ったときに、シンガポールを選んだんです。17歳のときのドイツでの経験もあって「世界のどこでも生きていける人間になりたい」という思いで海外で、違う分野でゼロイチをやりまくろうと思って起業しました。

アジアで5社やって、東京に2016年にもどってきました。当時は東京でVC投資が盛んになりはじめていて、6社目はスケールアウトするようなことをやりたいと思ったんです。シンガポールはマーケットが小さいので、スケールアウトするにはかなりしんどいと感じました。東京で始めたのは、仮想通貨交換所とブロックチェーンを使った広告プラットフォームを組み合わせたビジネスモデルでした。順調に成長して、従業員も65名まで増えて、資金調達も10億円程度までしたんですが、コインチェックの事件で市場環境が激変して、それで結果的に上場企業で子会社にしたい意向の会社が見つかり、イグジットすることになりました。

それで7社目はブロックチェーンを使ったプラットフォームをもう一度作ってみたいなと思ってはじめたのがbajji。2019年5月に立ち上げました。

bajjiはSNSなんですけど、今のSNSはすごい大きな問題を抱えていると思うんですね。無制限に無料というのが諸悪の根源だと考えています。それはつまりどんなこともシェアできるし、投稿できるということ。情報は増えたけど、フェイクニュースや嘘も含めて雑音が増えていますよね。それは人と人との繋がりも含めて雑音が増えていて、使用者側は神経をすり減らすことになっている。Facebookが本来やろうと思った人と人を繋げることができていないとも言えますよね。

だからこそ、bajjiはリアルに会えないと繋がることができないようになっているし、相互に贈りあう”bajji”は購入しないといけないし、あえて不便にしている。それは本質を求めているからなんです。

後、bajjiのサービスはブロックチェーンは使わなくても実現できるんですけど、そこに深い意味づけをするためにブロックチェーンを使っています。現在の多くのSNSは管理者がやろうと思えば情報の改竄ができちゃうんですが、ブロックチェーンを使えばフェアな状態を保つことができる。巨大なプラットフォーマーになっても、利用者に対してフェアな状態を保てると思っているんです。

2019年5月に始まってチームは全体で12人。エンジニア8名、ビジネスサイド4名。6社目から一緒に来た5人と一緒に始めて、1月に資金調達もして今でチームは2倍になりました。

今、起業を目指す人も増えていると思うのですが、起業を3ヶ国7社してきたご自身の経験を踏まえて、皆に伝えたいことは何かありますか?

これから起業しようとしている人に関していうと、起業を迷っているのであれば、1日でも早く始めること、ですね。やり始めないと何も見えないですから。準備してからと言う人もいますけど、起業前の人が言う「準備」の99%は正しいかわからない。なぜなら、起業していないから。だから、1日でも早く起業することが最善の策だと思うんですよね。失敗したっていいし、その方がむしろ学びも大きいかもしれませんし。

起業して苦しんでいる人には、1つあって、いいことも悪いことも必ず終わりが来るということ。逃れられない最悪の状況も来週には光明がさすことだってある。

起業するときってお金が一番の問題なんですけど、徐々に苦しくなっていくんですね。潮目が変わったというのは、わかるんですよ。僕がいつも心がけているのは、そういうときはフィールドを変えること。同じ人と同じことをやっていても打開できないんですね。なので、そのときはいつもと違う人に会いに行ったり、いつもと違うことをやるんです。それをやったからといっても打開できるかはわからないですけど、とにかく(違う人に会う、違うことをすることを)実行し続けることが大切だと思っています。事業を推進していく中で、他の人から見たら、まったく関係ないような場所に行ってるっと思われているかもしれません。でも、それが重要だと思って、意図的に動いてます。

Venture Café Tokyoとbajjiの関わりはどのようなものでしょうか?

2019年7月にβ版を立ち上げて、その頃はピッチの場を探していたんですね。それで、2019年9月にThursday Gatheringの一環として開催されたRocket Pittchの機会に出会いました。その時は、ひとりでも多くの共感者を探していたんですが、Rocket Pitchの場でピッチしたらbajjiに興味を持っている人がいるということで、アクセラレーター兼コーワーキングを運営しているcrewwの永野さんと出会いました。それでチームで話してcrewwのコーワーキングに行こうとなって、その翌週には一席借りようとなりました。

Rocket Pitchの頃は、bajjiを贈ることが大事だと思ってたんですけど、徐々にリアルに出会うこと(エンカウントという機能)がすごい大事だなと思ってきたんですね。それでVenture Café Tokyoのやってることが改めて面白いなと思って、なんか一緒できないかなと考えたいんです。それでThursday Gatheringの場で実証実験できないかと提案しました。 ※2020年1月よりThursday Gatheringのネットワーキングスペースにてブース出展をして実証実験中

実証実験をやり始めたら、いろんな国籍の人がきて、特にヨーロッパの人に反応がいいということが分かりました。それで海外にアプローチするには、我々のチームは日本人しかいないし難しいなと思っていたところ、世界各国の大学と連携してからインターンを紹介するCRCCのJulienにThursday Gatheringで出会って、海外からのインターンに来てもらいました。

Thursday Gatheringには業種も人種も国籍も違う人がきてるんで、色んな出会いがあって、いろんな反応があって、プロダクトデベロップメントやビズデブにおいてとてもいい場だと感じています。なかなか、ああいうダイバーシティを出している場所は日本にはないですよね。

今後の方向性は?

最近資金調達したんですが、夏までにもう一度資金調達しようと思っています。Facebookを中心としているいびつな構造を正して、Web 3.0を実現したいと考えています。Web1.0ではYahooのようなプラットフォームがコンテンツを配信して、ユーザーは無料でそれらのコンテンツを消費できました。Web2.0であるFacebookのようなモデルはユーザーがコンテンツを投稿することで、ユーザーでなくFacebookが儲かっている。これは不健全だと思うんです。Web3.0はユーザーがプラットフォームに対してした貢献が、ユーザーの儲けにつながる。ただ、その前提はその貢献を見える化しないといけない。それがbajjiが目指す世界観です。

最後に何かメッセージがあれば、お願いします!

Venture Café Tokyoには毎週いるので、是非お会いしましょう!

◆Venture Café Tokyoについて/ About Venture Café

Venture Café Tokyoは”Connecting innovators to make things happen”をミッションに掲げ、各種プログラミング・イベントを通じてベンチャー企業・起業家・投資家を繋げることで、世界の変革を促すイノベーションの創出を狙いとする組織です。Thursday Gatheringは毎週木曜日16時-21時に開催されるVenture Café Tokyoのフラッグシップ・イベントです。教育セッションや安全で快適なネットワーキング空間の提供を通じて、多様な人々が集う場を提供し、上記のミッション達成を図ります。

http://venturecafetokyo.org/

Innovation Community Builder in Tokyo.

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