Happen #9: Project MINT植山智恵さん

今回のHAPPENストーリーは、自己革新したい大人のためのプログラムを提供するProject MINTの Co-founder & CEO の植山智恵さんにお話を伺います。

植山さんは、2015年から約4年間アメリカに滞在し、シリコンバレーの教育テクノロジー事情の調査などに携わったほか、100%アクティブ・ラーニングを実践する革新的な教育を行う学校として全世界から注目されているミネルバ大学のマスターコースを修了。2019年に日本に帰国し、2020年にProject MINTを立ち上げました。会社設立までの道のりにはVenture Café Tokyoとの出会いも大きく関わっているといいます。どんなHAPPENがあったのでしょうか。

植山さんのプロフィール

「一人ひとりの可能性を信じ続けること」が自分自身のパーパスでり、Project MINTのビジョンでもある。

Project MINTのプログラムの一場面。写真を多用し、自身のパーパスを探る

― Project MINTは、Meaning, Ikigai, Network and Transformと、パーパスを起点に学び働き自己革新し続ける大人を養成することを目指しているそうですが、設立の経緯などをお聞かせください。

今の世界は急速にかつ不確実に変化しています。そんな時代に対応していくには自分自身のパーパスやビジョンを認識し、その課題解決に向けて学び、行動を起こしていくことが大切です。

日本人は真面目で勤勉な一方、自分のビジョンを確立したり、発信する機会は他国に比べて少ないと思います。そういう訓練をしてこなかった大人たちがビジョンに目覚めた時の可能性は計り知れません。大きなポテンシャルを秘めていると思います。

また、日本では年齢という枠にとらわれがちですが、大人になってから何かを始めても遅くはありません。年齢を問わずあらゆる大人の可能性を活性化し、ロールモデルを輩出していくような新しい学びの場の必要性を感じました。そこで大人のための21世紀型の教育プログラムを創ることにしたのです。

10週間に渡るプログラムでは、パーパス(目的、存在意義)を起点とした学び・働き方を体現する先駆者を養成。自己認識・21世紀型スキル・社会に還元する成功体験・コーチングを融合させたプログラムを提供しています。

― 大人向けの21世紀型教育プログラムを提供しようと考えたきっかけはありますか?

私は祖父母と父が学校教師という教育者一家に育ったので、もともと教育というものに興味がありました。
自分自身のパーパスとして「一人ひとりの可能性を信じ続けること」を掲げており、これは Project MINTのビジョンとも重なる部分なのですが、子供のころの体験から来ています。子供時代の私は、協調性重視の日本の教育環境になじめなかったこともあり、周りに比べて学びが遅く、それがコンプレックスになっていました。でも祖父母は私の可能性を信じ、応援し続けてくれたんです。

そういう経験があるからこそ、私自身がプログラムを受講したフェローの人たちの可能性を信じ続けられる存在でいたいと思いますし、信じ続けることがフェローの人たちが道を切り拓いていくことにつながります。その道程を目の当たりにすると、言葉では言い表せない感動を覚えます。

― 植山さんは、ハーバード大より難関とさえいわれるミネルバ大学のマスターコースを修了されています。ミネルバといえばアクティブ・ラーニングで有名ですが、どのような授業が行われていたのでしょう?

ミネルバでは、世の中に存在している根深い問題の事例に触れながら、世界中から来たクラスメイトたちと深い議論を交わし、何が必要で何が課題となっているのかを幅広い視点から考え、活発な意見を交換し合うような授業が行われていました。

得るものが多い授業だったのですが、まず気づかされたのは「こういう世界をつくり上げたいから、という明確なビジョンが自分にはない」ということ。そこがあいまいだと「これが自分の意見だ」というものが持てないんです。最初は冷や汗をかくようなこともありましたが、場数を踏むことで自分の中のビジョンが構築されていき、学びの原動力にもなりました。

― Project MINTでパーパスやビジョンを重視しているのは、そのようなご自身の体験も踏まえてのことなのですね。

Venture Café TOKYOとの出会いがなければ
今のProject MINTはなかったかも

プログラム参加者との集合写真。Project MINTはプログラムと同時にコミュニティだ

― 日本に帰国後はどのようなアクションを起こしたのか、またVenture Café Tokyoとの関係性を教えてください。

2019年夏に日本に帰国した当初は「こういうことをやりたい」というのはあったものの、NPOとしてやるのか、企業に属して行うのかなどは明確ではありませんでした。いろんな人からアドバイスを受けていくうちに、会社を立ち上げることで問題解決にアプローチしようと決めました。

そこでスタートアップ関連のオンライン講座を受講すると同時に、ネットワーキング作りに奔走しました。

いろいろなコミュニティに顔を出したり、年齢差別について記事を書いたりしていくうちに協力してくれる人がどんどん増えてきたんです。

自分は一人ではない、私の可能性を信じて応援してくれる人たちがいるというのはすごく励みになりました。

Venture Café TokyoのThursday Gatheringに初めて行ったのは、スタートアップコミュニティのイベントによく参加していたころです。

意外かもしれませんが実は私は人見知りで、本来の性格からするとネットワーキングというのはあまり得意ではないんです。Thursday Gatheringもちょっと参加してすぐに帰ろうと思っていたのですが、たままた同じテーブルにVenture Café Tokyo のProgram Directorの小村隆祐さんがいらっしゃいました。話をしてみるとお互いのビジョンに共通するものがあり、後日改めてミーティングをしましょうということになったんです。そこで私の思いや計画などをじっくり聞いていただくことができました。

― 2020年2月にはThursday Gatheringのセッション「脱・働く① — これからのはたらき方と生き方を考える」に登壇されました。

この時はまだ事業として立ち上がっていなかったにもかかわらず貴重な機会をいただき、ありがたかったです。他の有識者の方と私が取り組んでいる課題に共通するものがあることを発見し勇気が湧きました。登壇者としてはまだ慣れておらず、いろいろと反省点はありましたが非常に勉強になりました。

― ROCKET PITCH NIGHT SPRING 2020に参加したり、ミネルバ大学社会人向けプログラムの副学部長でProject MINTのCo-FounderでもあるGloria Tam氏をスピーカーに招いたセッションをオーガナイズしたり、Venture Café Tokyoとはさまざまな関りを持っていらっしゃいますよね。

ROCKET PITCH NIGHT SPRING 2020では「Work & Life Style/ Education」部門で最高スコアをいただき、CIC Tokyoのコワーキングスペースを半年間無料で利用する権利を獲得しました。

Venture Café Tokyoにはいろんな人を紹介していただいたり、イベントに登壇させていただいたり、開発中のプログラムをワークショップとして展開させてもらうなど、様々な機会をいただきました。

Project MINTは2021年6月に第3期が開講しましたが、Venture Café Tokyoとの出会いがなかったら、今現在、このような形にはなっていなかったと思います。

― 植山さんの熱い思いはありながらまだビジネスとしての形になっていなかったProject MINTがVenture Café Tokyoを通じて様々な人たちと接することで切磋琢磨され、しっかりとした形になっていく…まさにHAPPENですね。

にそうですね。Thursday Gatheringに最初に参加した時、すぐに帰らなくてよかったと思います(笑)

領域が違っても志が同じで、
問題解決のために行動している人たちとつながることができる

― Venture Café Tokyoのどのようなところが魅力だと感じますか?

Venture Café Tokyoには大物プレーヤーの参加も多く、自分が取り組もうとしている課題に対して彼らがどういうリアクションをするかを知ることができます。そういう機会は非常に限られているのでありがたいと思っています。

実をいうと日本にはシリコンバレーのようにフラットに意見交換する場はないと思っていたんです。名刺交換や社交辞令などで終始しているイメージを持っていました。でもVenture Café Tokyoは全然違います。有識者が問題の本質を話し合い、課題解決のために何をすべきかということを議論しています。領域が違っても志が同じで、問題解決のために行動している人たちとつながることができる場です。

またVenture Café Tokyoのコミュニティには多様な方たちが参加しており、「これについてどう思うか」など、ちょっとしたアドバイスがほしい時に気軽に相談できることもすごく心強いと思います。

― 今後の目標、抱負などはありますか?

Project MINTを通してもっと多くの大人が自分のパーパスを実感し、ポテンシャルを発揮してほしいと思っています。そのために10週間プログラムだけでなくプログラムを多様化させたいと考えています。海外との連携も増やしたいですね。

いかに認知度を上げるかも課題です。プログラム自体はいいものを提供できていると思うので、そこをどう上手く伝え、実際に受講してもらえるようにつなげるかを工夫したいと考えています。

Venture Café Tokyoに対しては、いろいろな形でコラボレーションさせていただき、おかげで様々なつながりができました。もし私が貢献できることができれば喜んで協力したいと思っています。

― それがまた新たなHAPPENを生み出すかもしれませんね。

◆Venture Café Tokyoについて/ About Venture Café

Venture Café Tokyoは”Connecting innovators to make things happen”をミッションに掲げ、各種プログラミング・イベントを通じてベンチャー企業・起業家・投資家を繋げることで、世界の変革を促すイノベーションの創出を狙いとする組織です。Thursday Gatheringは毎週木曜日16時-21時に開催されるVenture Café Tokyoのフラッグシップ・イベントです。教育セッションや安全で快適なネットワーキング空間の提供を通じて、多様な人々が集う場を提供し、上記のミッション達成を図ります。

http://venturecafetokyo.org/

Innovation Community Builder in Tokyo.

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