HAPPEN BLOG #27
実験道場/HAPPY DOJO 蛇澤純子さん、FEA農研 糸永季生さん

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米国・バブソン大学の革新的な起業家教育メソッドを取り入れたVenture Café Tokyoの起業家教育プログラム『Community Campus』。2024年4月4日(水)〜2024年6月6日(隔週木曜日全5回)に開催された、第1期に参加した蛇澤純子さんと糸永季生さんにお話を伺いました。ここでの出会いに端を発したプロジェクトも進行中だといいます。
※以下Community Campus(読み:コミュニティ キャンパス)

|多彩な人たちが起業について学びを深める場

――まずは自己紹介をお願いします。

蛇澤 私はチャンネル登録数約28万人のYouTubeチャンネルとフォロワー数約28万人のTikTokを運営しています。「エンターテイメントで世界を平和にする」ことを目指して動画を作っています。また、プロのダンサーでもあるので振り付けの仕事や、夫が起業した会社でマーケティングのコンサルにも従事しています。自分のやりたいことを全部叶えながら、夢の中で生きてるような状態です。

糸永 僕は一般社団法人FEA農研で代表理事をしています。2023年に設立したFEA農研は主力メンバーが10代〜20代という非常に若くて活力のある組織で、農業コンサルティング事業などを行っています。そのほか僕はいくつかの学会で微生物学などの研究員も務めています。以前は学習塾でプログラミングの専任講師をしていたこともあります。2022年にはカナダに留学し、現地の研究機関に在籍していたこともあります。

――お2人とも第1期生としてCommunity Campusを受講されたそうですが、何かきっかけがあったのでしょうか?

糸永 経営者が集まる場で知り合った方から、Community Campusが開講されるということを教えてもらいました。僕が今までに経験した起業関係の集まりは、すでにある程度の成果を出している方が中心のものばかりでした。一方、Community Campusというのは、一からスタートする人たちがたくさんいて、その中で一緒に学びを深めていくというのはすごく興味深いし、面白い機会だなと思い受講を決めました。

蛇澤 私はMBAプログラムを提供しているグロービス経営大学院に通っており、そこで「今、日本は起業支援を手厚く行っている」ということを聞き、起業について調べていたら、たまたまヒットしたのがCommunity Campusだったんです。ちょうどグロービスのコースが終了するころで次は何をしようかと考えていた時だったので、今までとは違った場に参加してみることにしました。

――実際にCommunity Campusを受講して印象に残ったことはありますか?

蛇澤 すごくユニークな人たちが集まっていたということです。大学生や高校生、年上の方まで、とにかくいろんな人がいて、しかもレベルが高いんです。起業やビジネスに対して前のめりな人が多いという印象でした。第1期生というなんだか分からないもの(笑)に、ちゃんと飛び乗れる人たちだったので、その時点でもうかなりフィルタリングがかかっていますよね。すごく面白い場でした。

第1期 Day1 集合写真

糸永 やはり「人」が大きいですね。Community Campusを受講していなかったら知り合うことはなかったであろう方たちとたくさん出会うことができました。蛇澤さんのようなYouTuberと知り合ったのも初めてで、メディアを活用したマーケティングの重要性も改めて認識しました。また、僕の事業に関して話をしている時も、単に感想を言うだけではなく「こういう視点もあるんじゃない?」などプラスの意見を言ってくれるメンバーがたくさんいて、とても参考になりました。

さらに、CIC Tokyoの存在を知ることができたのもよかったと思います。多彩な会社や経営者などが集まり和気あいあいとコミュニティを形成しているというのは驚きでもありました。こういう場があることを知り、自分にももっとできることがあるはずだというパワーをもらった気がします。

|マインドセットが大きく変わった

――Community Campusを受講することで何か変化はありましたか?

糸永 受講する前と後で自分自身が大きく変わったところは、「挑戦への積極性」ですね。大手と組んだりするような事業では、どうしても失敗が許されないところがあり、自分や周りの組織も手堅くやるのが当り前というような部分がありました。でもCommunity Campusの講師陣は実際に起業してトライアンドエラーを繰り返してきた実務家の方たちばかりで、「失敗してもいいんだ」ということを学びました。
挑戦というのはビジネスに関してだけでなく、もっとミクロな視点でも心掛けており、例えば、僕はおこわが苦手だったんですけど15年ぶりくらいに食べてみたんです。そうしたらすごく美味しくて(笑)。「何事にももっと挑戦してみよう」というマインドで生活できるようになり、日々の暮らしも豊かになった気がします。

蛇澤 Community Campus では「Action Trumps Everything(行動はすべてに勝る)」というフレーズをよく耳にするのですが、「まずは行動する」というのは、私が以前から心がけていたことと重なります。自分を認めてもらえたような気がして嬉しかったと同時に、自信を持つことができました。

また、私はリーダーシップをかなり学べたと思います。Day1ではリーダーに立候補をした4人でチームのメンバーを選び、プログラムの期間中、チームで課題に取り組み、成果を競います。私はリーダーを務めましたが、いろんなメンバーがいる中で、みんなが楽しみながらもどうやってチームを勝利に導くことができるかを一生懸命に考え、トライアンドエラーを繰り返しました。最終的に本当に良いチームになることができたと思います。チーム同士のコンペティションでは優勝することができました。これまでの人生でダンスや振付の現場でリーダーを務めてきましたが、今回改めてリーダーシップを磨ける非常に良い経験となりました。

受講後の変化としては、Community Campusが終わった翌月から毎日YouTubeを投稿するようになりました。実はグロービスに通っていたこともあり1年間、YouTubeを休んでいたんです。でもCommunity Campusを受講したことで本腰を入れてやろうというモチベーションが高まり、毎日欠かさず投稿しています。おかげで8月、9月は驚異のV字回復を見せています。

|Community Campusで始まったアイディアが事業に

――お二人で組んで新しいプロジェクトを立ち上げると聞いています。

糸永 リリースは11月以降になると思うので、まだあまり詳しいことはお話しできないのですが、野菜の有効活用に関する事業です。最初に蛇澤さんからそのアイディアを聞いた時、ビビっとくるものがありました。これはやり方次第ではすごく大きな事業になり得るし、絶対に成功すると感じたんです。ぜひ手掛けたいと思いました。

蛇澤 もともとはDay2の「デザイン思考」の授業のためにチームで話し合っていた時に出したアイディアなんです。でも二か月くらい音沙汰がなかったので流れたのかと思っていたのですが、最近になって声をかけてくれて始動することになりました。

糸永 収穫時期などを考えると、タイミング的に今すぐではない方がよいと判断し、プログラムが終わってから改めて声をかけました。ちなみにCICに入居されている会社にもコンサルタントとして関わってもらっています。Community Campusで出会ったFEA農研×登録者28万人超えYouTuberが創出した事業計画がついに実装を始めます。

――今後の抱負や目標をお願いします。

糸永 今後の抱負としてはFEA農研を育てることです。昨年設立したばかりの組織なので、今はスモールスタートとしていくつかの事業を掛け持ちしながら少ないメンバーで進めていきたいというふうに考えていますが、最終的には上場し、FEAホールディングスという持株会社にすることが目標です。できれば2030年までに実現したいですね。また、Community Campusでは本当に多くのことを得たと思うので、いつか何かの形で恩返しをしたいと考えています。

蛇澤 私は、「世界平和コメディで世界一になりたい」ということが目標です。具体的にどういうことかというと、地球環境など様々な課題を難しく考えるのではなく「社会課題×エンターテインメント」というように融合させ、面白く、楽しく解決していきたいと考えています。私が持つ能力といえばやはり「エンタメ力」だと思うので、それを駆使して社会課題をたくさん解決できればいいなと思っています。

――Community Campusを受講しようか迷っている人がいたらどのようにアドバイスをしますか?

蛇澤 学びという観点からいうと、ここでは細かなテクニックではなく、ビジネスや起業に関して必要なことを包括的に学ぶことができます。また、ビジネスに対するマインドセットもすごく深まります。受講生には多彩な人たちがいますし、起業に興味があるならあまり考え過ぎず、気軽に受講してみることをおすすめします。

糸永 僕も同感です。あまり構えすぎずに受講してみたらよいと思います。自分が普段接するコミュニティの中だけだと、どうしても同じような人たちの集まりになってしまいがちですが、自分が今まで触れたことのない分野の人に関わるというのは、働き方を変えることにもつながりますし、大きなチャンスにもつながります。夢に挑戦したい、今まで経験したことのない分野に挑戦してみたいという人にはすごくおすすめだと思います。

◆実験道場/HAPPY DOJO 蛇澤純子さんのプロフィール
https://jikkendojo.com

◆FEA農研 糸永季生さんのプロフィール
http://fea-nouken.jp/

◆Community Campusとは
Community Campusは全ての人に向けた起業家育成プログラム。アントレプレナーシップ教育で30年連続全米No.1のバブソン大学の起業家教育方法論を始めとする、世界最先端の教育手法を用いて、グローバルな視野を持ち、不確実性やリソースの制約を克服しながら新しい機会を追求したいと考える、全ての方の起業家精神の育成と事業創出の伴奏支援を提供する。
*本案件は、東京都が推進する「未来を切り拓く10×10×10のイノベーションビジョン」の実現に向けた「多様な主体によるスタートアップ支援展開事業(TOKYO SUTEAM)」の採択事業。

※第4期受講生を10月7日まで募集中。https://venturecafetokyo.org/programs/community-campus/

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Venture Café Tokyo
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Written by Venture Café Tokyo

Innovation Community Builder in Tokyo.

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