2021年6月にVenture Café NAGOYA CONNÉCTが拠点にしている「なごのキャンパス」に進出を果たしたFAST ENGLISH。ネイティブ並みを目指さない、オンラインとリアルのハイブリッドなレッスン、月額9,980円で通い放題など、従来の語学学校とは異なるアプローチで注目を集める英会話スクールです。

CONNECTING DOTS — 今回のHAPPENブログでは、FAST ENGLISH代表取締役の椎名陽介さんに、そのビジョンや思いをお伺いすると共に、様々なタイミングでのVenture Café/ NAGOYA CONNÉCTとの遭遇がいかに事業の推進、そして名古屋地域とのより深い結びつきに繋がっていったのか、椎名さんのHAPPEN体験に迫ります。

|「60点レベル」でも実際に使える英語を、
短期間&低コストで習得できるスクールを設立

― とてもユニークな経歴をお持ちと聞いていますが、簡単な自己紹介をお願いします。

20歳まで海外未経験。英検3級も2回落ちるほど英語が苦手だったのですが、学生時代、偶然にもヒラリー・クリントン氏と直接言葉を交わすことができたのをきっかけに、国内で英語を猛勉強。約2年かけて駐日大使館などで一般通訳できるレベルになりました。

海外でのビジネス経験としては、トヨタグループの海外スタートアップ事業に誘われ、インド・バンガロールで日系企業のインド事業サポートをするコンサルティングファームの設立に携わりました。日本食料理店や日本式ホテルの立ち上げ、南インド初のスーパー銭湯「SENTO」の創業、サウナも作りました。「ここに来れば衣食住ワンストップで面倒を見ます」というようなサービスを提供していました。インドには約3年滞在し、世界一周しながら日本へ帰国しました。

帰国後は、堀江貴文氏(ホリエモン)プロデュースの「WAGYUMAFIA」が展開する海外プロジェクトに従事しながら、2019年に東京でFAST ENGLISHを創業。今に至ります。

― 数多くの面白い体験をなさっていますが、なぜFAST ENGLISHを設立しようと思ったのでしょう?

これはインド時代の経験が大きいですね。日系企業の駐在員の英語力の低さを目の当たりにしたのと同時に、「100点満点」のネイティブレベルの英語でなくても海外で通用すると実感したんです。日本人は「英語を勉強するならネイティブレベルにならなければ」と思い込んでいる人が多いのですが、そもそも世界の人口約77億人中、英語ネイティブは5%もいません。世界の20%の人々が英語を話すとされていますが、大多数の人たちは第二言語として英語を話しているんです。今後はますますノンネイティブの英語話者がパワーを持つ時代になると思っています。

ビジネスで高度な英語が必要になる場合は、例えば契約を結ぶ際など重要な局面でのみプロの通訳を入れればよいのです。その方が全体的なコストも下がります。

膨大な時間とお金をかけて、世界に数パーセントしかいない「英語ネイティブ」を目指すより、「60点レベル」でも実際に使える英語を、短期間かつ低コストで身につけられるスクールを作りたい、という思いからFAST ENGLISHを設立しました。

― FAST ENGLISHはどのような特徴があるのでしょう?

人気ユーチューバーが実践して話題の「スパルタ式メソッド」と、プロ通訳者も実践する「第二言語習得理論」を取り入れた英会話レッスンを通い放題(1日1コマまで)で、月額9,980円で提供しています。オンライン講師によるレッスンをリアルな教室で行うハイブリッド授業のため、ネット回線があればどこでもレッスンができます。受講者にとっては時間や場所にとらわれずにレッスンを受けることが可能になります。

― Venture Café TokyoのThursday gatheringにはFAST ENGLISH を創業した2019年から参加していたそうですね。

英語で自分の事業のピッチをしている人たちがいるというのがシンプルに面白いなと思い、ほぼ毎月通っていましたね。
そこで知り合って仲良くなった方がうちのスクールの生徒さんになってくれたこともありました。顧客獲得を狙っていたわけではないのですが、有望なスタートアップが海外に向けての発信力をつけるために、英語力アップのお手伝いをできればいいなとはずっと思っていました。

経営者や起業家の人たちが国内で英語を勉強しながら海外にも目を向け、横のネットワークを広げ、自分の事業を膨らませ、最終的には英語で自分のメッセージを世界に伝える、このような流れを作るのが自分のやりたいことなんです。Venture Caféはまさにそういうことを実践できる場なので非常に魅力を感じました。

|サウナ仲間からの紹介が名古屋進出のきっかけに

― 東京で設立・運営されていたFAST ENGLISHですが、2021年6月1日になごのキャンパスに展開、6月25日のNAGOYA CONNÉCTではセッションにも登壇されました。このあたりはどういういきさつがあったのでしょう?

名古屋との関りはNAGOYA CONNÉCTのプログラムマネージャーをされている粟生万琴さんとの出会いが始まりです。

僕は週3回くらいサウナに通うほどのサウナフリークなのですが、サウナ仲間から「名古屋にすごい経営者でサウナ―(サウナ愛好家)の女性がいる」と紹介されたんです。それが粟生さんでした。

初めて彼女とお話しした時「NAGOYA CONNÉCTってなんですか?」とお聞きしたら
「Venture Caféという組織があり…」と説明され、

「Venture Café Tokyoなら知っています。よく行っています」
というところから、粟生さんに名古屋に来ることを強く勧められ、とんとん拍子に話が進みました。知り合ったのは今年に入ってからなので、半年くらいで話がまとまった感じですね。

「コミュニティースペース×英会話レッスン」という新しい英会話学習の形を世の中に提案したいということと、粟生さんとのご縁もあり、なごのキャンパスへ入居させていただきました。

NAGOYA CONNÉCTのセッションで登壇することになったのも粟生さんに「どうせだったら喋っちゃえば?」

と言われたことが発端です(笑)。

― 「世界に飛び込むためのMAD services」というセッションに登壇されたわけですが、いかがでしたか?

ケミストリーを感じましたね。なごのキャンパスに入居してはいるけど普段は接点がない方たちもセッションを聞いてくれましたし、無茶苦茶面白い人たちと繋がることができました。なごのキャンパスの大きな魅力は入居者の大多数がスタートアップやベンチャー経営者だということ。ただのコワーキングスペースなら入居しなかったかもしれません。自分もコミュニティの一員になれたと実感できてうれしかったです。

|登壇したのがきっかけで、多くのレスポンスやオファーを受けることに

― セッションの登壇をきっかけに、様々なコラボが生まれたそうですね。

クリエイティブ分野に特化した専門教育を行っている会社の担当者の方が、NAGOYA CONNÉCTでのセッションを実際に現場で視聴してくださっていたんです。「うちの学校でもFAST ENGLISHを展開したい」というオファーをいただき、現在、具体的な話を進めているところです。

経営者が9,000人以上登録している経営者向けマッチングアプリの創業者の方も、僕の登壇を見て声をかけてくださいました。なごのキャンパスで展開しているように「ベンチャー経営者や起業家向けにオンラインで通い放題の英会話レッスンを提供したい」ということで、提携することになりました。

また、東北最大級のコワーキングオフィスの責任者の方からもご連絡頂き、NAGOYA CONNÉCTのセッションで話したようなことを東北でもお願いできないかと直接連絡をいただきました。ここは東北最大級のシェアオフィス・コワーキングスペースなのですが、実際に仙台に足を運び、その場でやることを決めました。

さらにはNAGOYA CONNÉCTで登壇する前に「今度、名古屋でこんなセッションをやる予定です」と話したことがきっかけで、渋谷QWSさんからもトークイベントのご依頼をいただきました。

NAGOYA CONNÉCTでのセッションがきっかけでいろんな方たちに認知していただき、様々なオファーをもらっています。

|英会話をツールにしたコラボで新規事業が生まれたら社会的にも意義がある

― Venture Caféと関わることで、ビジネスやプライベートにどのような変化がありましたか?

視座の高い経営者たち、人生かけて社会変革に取り組む起業家たちに出会うことができ、経営者としてのマインドや事業の進め方、考え方に非常に刺激をもらっています。

今後は名古屋をメインの拠点として活動することにしており、Venture Caféで知り合った起業家や教育関係の方などとの交流を深められたらと思っています。結果として、名古屋に事務所だけでなく居宅を構えることも検討中です。

― 今後の抱負や目標としていることはありますか?

一つは、単純に英会話レッスンを提供するスクールではなく、空き店舗や空きスペースと連携し、空間に更に付加価値をつけるツールとしての「英会話レッスン」を日本全国に広めていくこと。大手コーヒーチェーン店などとの提携の話も進んでいます。提携店舗・スペース150店舗が目標です。

もう一つは「出会える」英会話スクールとしての地位確立です。英会話スクールを通じて、スタートアップ同士&スタートアップと大手企業が「出会える」プラットフォームの創出を目指します。

最終的にやりたいのは英会話をツールにしてコラボレーションを起こすこと。趣味として英会話を学ぶだけでなく、海外に向けたB to Bのマッチングなど、英会話をキーワードにしたプラットフォームからユニークな新規事業が生まれたら社会的にも意義があると思っています。

まずはプラットフォームとしてきちんとした箱を作り、そこで化学反応を起こしていきたいですね。

◆Venture Café Tokyoについて/ About Venture Café

Venture Café Tokyoは”Connecting innovators to make things happen”をミッションに掲げ、各種プログラミング・イベントを通じてベンチャー企業・起業家・投資家を繋げることで、世界の変革を促すイノベーションの創出を狙いとする組織です。Thursday Gatheringは毎週木曜日16時-21時に開催されるVenture Café Tokyoのフラッグシップ・イベントです。教育セッションや安全で快適なネットワーキング空間の提供を通じて、多様な人々が集う場を提供し、上記のミッション達成を図ります。

http://venturecafetokyo.org/


今回のHAPPENストーリーは、自己革新したい大人のためのプログラムを提供するProject MINTの Co-founder & CEO の植山智恵さんにお話を伺います。

植山さんは、2015年から約4年間アメリカに滞在し、シリコンバレーの教育テクノロジー事情の調査などに携わったほか、100%アクティブ・ラーニングを実践する革新的な教育を行う学校として全世界から注目されているミネルバ大学のマスターコースを修了。2019年に日本に帰国し、2020年にProject MINTを立ち上げました。会社設立までの道のりにはVenture Café Tokyoとの出会いも大きく関わっているといいます。どんなHAPPENがあったのでしょうか。

植山さんのプロフィール

「一人ひとりの可能性を信じ続けること」が …


(左)桜庭大輔さん、(右)本田秀一さん

”今ZESDAで携わっていることを通じて、パラレルキャリアのベースと実績を作っていきたいと考えています。”

Thursday Gatheringでの出会いを通じて新たな挑戦に踏み出した本田さんは思いを込めてそう語ります。今回のHAPPENストーリーは100人がパラレルキャリアで活動するNPO法人ZESDA代表である桜庭さんと、本田さんとの出会い、そして社会に構造的な変化を起こそうとするお二人の熱いビジョンについて話をお伺いしました。

お二人の自己紹介、ZESDAについての紹介をお願いします

桜庭さん:桜庭大輔と申します。公務員をしながら、パラレルキャリアで様々な課外活動をやっていまして、その中心としてZESDAというNPO法人を10年ほど運営しています。ZESDAとは、「Zipangu Economic System Design Association(日本経済システムデザイン研究会)」の略称です。

ZESDAの目的は、日本の経済システムがもう持たないという課題意識から、それをガラッと変えることです。具体的には、都市部からのおカネの再配分で生活するという構造が強い日本の地方が、自分たちで海外からおカネを稼げるようにして、雇用を作りたいと思っています。いわゆるグローカリゼーション(グローバル×ローカル)です。

そしてその手段は、「プロデュース」です。「プロデュース」とは、カネ(金融資本)とチエ(知識資本)とコネ(社会関係資本)という3つの資本のバランスを整えて、足りないものを注いでいく活動のことです。日本の地方が海外からおカネを稼ぐ力を持つには、カネ・コネ・チエそれぞれがパランスよく必要です。これまでの再配分構造の中では、カネばかりが再配分されがちでしたが、これからは、地方が自立できるよう、ITスキルや海外人材といったチエとコネをもっと再配分していきたいと考えています。そうすることで、日本の産業構造及び雇用を持続可能なものにしたいのです。

しかし、これらを現在の霞ヶ関や永田町が実現するのは、構造的に困難だと思います。おカネの再分配を望む人々と選挙と政策がしっかり結びついた「しがらみ」があるからです。なので、全く違うベクトルを持ったエンジン、利害を全く異にした人材が、グローカリゼーションのプロデュースを実現しないといけないと考えています。それは誰か。ズバリ自分のキャリアに不安を抱える都会のコンサバなサラリーマンやフリーランスの人々だと思っています。彼等が、自分の持つ、特にチエとコネを地方に注いでいくなかで、さらにコネ・カネ・チエを増やしていく、そうして自らのキャリアを切り拓いていくなかで、日本の経済システム全体も生まれ変わっていくと考えています。地方の雇用確保と、都会のサラリーマンのキャリア開発と、国際競争における日本産業の生き残り、すなわち、地方の自立、サラリーマンの自立、日本の自立、という3つの自立は、同時解決される問題であると考えて活動しています。

本田さん:本田秀一と申します。本業としては、メーカーので人事での仕事をしています。基本的には全国転勤なんですが、直近は愛知、2年前から岐阜で人事・総務のマネージャーをやっています。その傍ら、ZESDAの事務局でボランティア活動しています。

具体的には、ZESDAのカレッジ部門で活動しています。地方に注ぐイベントやネットワーキングによって、チエとかコネをかき集めてくる部門です。具体的には研究・イノベーション学会プロデュース研究分科会と共に人材育成講座を開催したり、明治大学の奥山雅之先生の研究室と一緒にグローカルビジネスセミナーを開催したりしています。また、事務局として、全体を俯瞰し、ZESDA内のプロジェクト間でチエとコネを流通させる機能も担っています。

桜庭さん/ ZESDAとVCTとの関係性についてお伺いさせてください。

桜庭さん:Venture Café Tokyoとは直接的なご縁は、ZESDAの理事にVCTの関係者がいたことが始まりですね。まず、カネだけじゃなくて、チエとコネも大切だよねというところで、ZESDAとVCTは価値観を深く共有していると感じています。

もちろん、Venture Café Tokyoは、テクノロジカルなトピックも扱っていたり、強力な海外ネットワークがあったり、パラレルキャリアや地方創生を専門的に扱うZESDAが持っていない素晴らしい長所があります。それでも、特に、チエとコネを集めるZESDA内のカレッジ事業部と兄弟・姉妹と言ってもいいくらい、理念的な親和性があると感じています。

そうした共感から、自然と、Thursday Gatheringではコネとチエをどうやって集めるのか、そしてそれらをどうカネに変換していくのかみたいな議論をする際に、私も過去何度か登壇させていただいたりして、協働、協創関係を深めさせていただいています。

本田さんはVCTのセッションがきっかけでZESDAに入られたとのことですが、経緯や意味合いを教えてください

本田さん:ZESDAに入ったのは桜庭さんが登壇していた「脱・働く#5 — After/ Withコロナ時代のパラレルキャリア論」というセッションに参加させていただいたのがきっかけです。セッションに参加して、桜庭さんのいうチエとコネが大切だよねというところに、とても共感しました。加えて、僕自身が地方で過ごすことがこれまで多かったのですが、地方から直接外貨を稼ぐエコシステム創生という考えにも将来性を感じるし、やらなきゃいけないというミッションを強く感じました。

地方在住だと以前のThursday Gatheringのようなリアルなミーティングに参加できないというところにもやもやとしていたので、コロナの状況ということもあってオンラインで参加できたことは本当によかったです。一見、”Venture” Café Tokyoというとベンチャーじゃなかったら、参加しづらい感じがあるかもしれないけど、ホームページなんかを見ると実際は、挑戦する、というか、もっと広い意味合いでのベンチャーという言葉が用いられていますよね。新しいものにどんどん取り組んでいこうという、前向きな雰囲気があって、本当に参加しやすかったですね。

しかも、毎週やっていてオープンな雰囲気のある場というのがよかったです。

桜庭さん:やっぱり、必ず木曜日に定期的にやっているというのはすごく大切だと思うんですよね。高い頻度も重要。参加できない時でも、また今度参加できる、という安心感がありますよね。あと動画が残っているのも良い。ながら聞きとか倍速再生とかでキャッチアップできますし。

本田さんが入られたこと自体がすでにHAPPENだと思いますが、更なるHAPPENに向けてお二人が今後さらに仕掛けていこうとしていることはなんですか?

本田さん:今ZESDAで携わっていることを通じて、パラレルキャリアのベースと実績を作っていきたいと考えています。さらには、自分と近しい20代後半とか30代前半くらいの、これからのキャリアに悩んでいるような人を巻き込んでいきたいと考えています。

例えば、自分は年齢が10コ上くらいの人と話すと、視座を一つ高めたところで学べる感覚を持つことがあるんですが、他者からチエを仕入れるそういう機会を同世代にも広げていきたいです。

桜庭さん:私が企んでいることは、大きく、2つあります。。

一つは、ダジャレですみませんが、本田さんをもっと「発奮」させること。もちろん既に十分過ぎるほど活躍してくれているのですが、日本社会における次世代のロールモデルになってもらいたいと考えています。サラリーマンの半分以上が、本田さんのように、準自営業者的にパラレルキャリアを歩んでいるような社会を作りたいと思っています。

二つ目は、これはまだ詳細は秘密なのですが、ZESDAがより社会的なインパクトを生み出すために、水面下で進めているプロジェクトがあります。それはサラリーマンが、自分の持っているチエやコネを、それらを求めているニーズを探していき、マッチさせていくなかで、付加価値を出せる自分を手に入れていけるようにしていくための取り組みなのですが、これを世に出していきたいです。近夏くらいになるかな。

そして、その先にも、自分が60歳くらいで、人生最後の事業としてコネとチエとカネを総動員して取り組みたい、より大きなプロジェクトも念頭にあるんです。だけど、これまたまだ秘密です。。。申し訳ないです。。。が、その準備を今からしていきたいと思っています。こうした取り組みのなかで、日本の経済モデルそのものを変えていきたいと考えています。

ありがとうございました!


This Summer (2020), Venture Café expanded to two new locations in Japan, Nagoya city and Tsukuba city. The two regions are already hubs of industry and innovation, but they will now benefit from the cohesive presence of Venture Cafe as the “space” for local industries and innovators to come together and make things happen!

The two new events named NAGOYA CONNÉCT and TSUKUBA CONNÉT respectively, will quite literally connect talent and ideas locally and globally — by leveraging Venture Café’s international network, to shine a spotlight on the great potential of both regions. …


「Connecting the dots. — 最先端のサイエンスとテクノロジーで、皮膚疾患患者さんによりよい明日を。」をミッションに掲げるLEO SCIENCE & TECH HUBの支援のもと、ライフサイエンスに関わるセッションシリーズ「EMERGENCE — Creating the future of Japanese Life Science Ecosystem」の第6回セッションが2020年10月1日にONLINEにて開催されました。

当日は、“皮膚から考えるイノベーションの可能性”という題して、ゲストスピーカーと共に、なぜ皮膚科学なのか、そこからどのようなイノベーションを生み出すことができそうか、議論を深めました。

◆EMERGENCE — Creating the future of Japanese Life Science Ecosystemについて

科学は社会の発展の礎です。日本の基礎研究力は世界的にも高いものがありながら、研究者のキャリアパスの在り方や大学発イノベーションを産業化する方法論の欠如など、持続可能な形で研究をし、その成果を社会実装する体制が整っているわけではありません。少子高齢化という大きな課題に世界のどの社会よりも早く直面する日本においては科学の活用が欠かせません。また、ヘルスケア分野におけるデジタル技術との融合は大きなチャンスでもあり、世界からの日本に対する期待も高いものがあります。

そこで、EMERGENCEでは、定期的にライフサイエンスのキーイノベーターをお呼びし全員で議論を深めることで、日本のライフサイエンスの未来を創るムーブメントとコミュニティを創出することを狙いとします。

◆なぜ、皮膚科学なのか?

<皮膚の特徴>

皮膚は人体で最大の免疫臓器であり、私たちが自分の目で見ることのできる最も身近な臓器と言えます。皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層構造になっており、その大きさは表面積畳1畳ほどにもなり、重さは体重の16%にも達します。

皮膚には免疫細胞が常駐しており、さまざまな免疫応答や恒常性維持を行うことで、体内を守るバリアの役を果たしています。汗や皮脂を分泌したり、汗による体温調節をしたり、触覚などの知覚を行う大変重要な器官だと言えます。

<皮膚疾患の現在>

そんな皮膚におこる皮膚疾患は、アトピー性皮膚炎、乾癬などを始め、3,000種類以上が知られています。しかも、有効な治療法があるものは多くないのが実情です。

現在、全人口の30~70%もの人が何らかの皮膚疾患を患っていると考えられています。そうした背景があり、皮膚科は年平均成長率11%、2030年の市場規模は6.7兆円になるとされ、ビジネスにおいても非常に重要な領域とみなされています。

◆当日登壇されたスピーカーのご紹介


With the support of LEO SCIENCE & TECH HUB, whose mission is “Connecting the dots. — Cutting-edge science and technology to make a better tomorrow for patients with skin diseases.” The 4th session of “Future of Japanese Life Science Ecosystem” was held on July 2, 2020, at Thursday Gathering (organized by Venture Café Tokyo).

On the day of the event, we invited guest speakers to talk under the theme of “Learn from incubator accelerators-points for business development-Life Science edition”, along with discussing the efforts and achievements of incubator accelerators in Japan. …


「Connecting the dots. — 最先端のサイエンスとテクノロジーで、皮膚疾患患者さんによりよい明日を。」をミッションに掲げるLEO SCIENCE & TECH HUBの支援のもと、ライフサイエンスに関わるセッションシリーズ「EMERGENCE — Creating the future of Japanese Life Science Ecosystem」の第4回セッションが2020年7月2日にThursday Gathering(開催:Venture Café Tokyo))において開催されました。

当日は、”インキュベーター・アクセラレーターから学ぶ、ビジネスデベロップ面とのポイント-ライフサイエンス編“というテーマのもと、ゲストスピーカーをお招きし、日本国内のインキュ …


今回のHAPPENブログでは「女性」を中心に多様性を様々な形でエンパワーするお二人のリーダーにフォーカスをあてます。お二人はThursday Gatheringでの出会いからコラボレーションにつながりました。どのようにお二人が出会ったのかの話から、それぞれの思いと活動に迫ります!

今日はよろしくお願いいたします。まずは簡単にお二人の自己紹介をお願いします!

厚子:今日はよろしくお願いします。Japanese Women’s Leadership Initiative (JWLI)という日本の女性リーダー育成研修の創設者であり、このプログラムを企画運営するフィッシュファミリー財団の創設理事をしています。

これまでのことを順にお話しすると、銀行員だったアメリカ人の夫と東京で出会い、約40年前にアメリカへ移りました。日本でもずっと仕事をしていたのですが、慣れない土地であるボストンで仕事見つけるのは本当に大変でした。

当時は日本の景気が良い時代だったにも関わらず、マサチューセッツ州政府内には対日本政策の仕事がありませんでした。それで、州知事に手紙を書いたんです。「もったいない」と。そしたら「自分もそう思う」と電話があり、その場で採用されてしまったんです。その時、「アメリカってすごいな」と思いました。私のアイディアを信じてくれる。アメリカは本当に夢が叶う国なんだなと思いました。そして、リーダーというのはこういうものなのかと思ったのを今でも覚えています。

それで州政府で何年か務め、文化や観光、ビジネスなど、様々な分野を担当しました。その後、州政府での経験が役に立ち、アメリカで最大級の公衆衛生の支援活動を行う国際開発NPOから、日本のことがわかる人がほしいと誘われました。当時は日本がODA支援を活発に行っていたんですね。

最初は公衆衛生も、非営利セクターのことも分からなかったんです。ただ、公衆衛生の専門家や医師、現地のスタッフと働く毎日は楽しく、新しいい学びばかりでした。それが、アメリカのNPOにはじめて触れた経験でした。

そのNPOの代表が、2000年ごろにアジアにおける女性の地位について日本で講演をしました。すると、なぜ日本の女性の地位はこんなに低いんだと参加者からたくさんの質問が出ました。私は日本を出た80年代と状況が何ら変わっていないことに驚愕しました。

それがJWLIを設立するきっかけでした。学術的なことではなくて、実践的なことを教えることで、女性のリーダーを増やし、活躍の場を広げたいと考えました。

那須さんのこともお伺いできますか?

那須:はい。那須もえと申します。私もボストンとは縁があって、2001年の頃にボストンにある大学院に通っていました。その後、今の会社であるアクセンチュアに入社しました。

アクセンチュアでは、もともとはパブリックセクターのお客様のシステム導入に係るお手伝いをしていました。直近は、海外のスタートアップや、テクノロジーの強い優良な企業さんに東京の魅力を知って頂き、東京でビジネスされるサポートや、外国企業に関わらないんですが、若い企業さんと大手企業さんのコラボレーション・イノベーションを促進するような支援をさせていただいています。

アクセンチュアではジェンダー・LGBTQ・障がい者・クロスカルチャー(外国人)の4つの柱をたててインクルージョン活動を行っています。私は、コーポレートシチズンシップの一環でもあるのですが、特に女子学生を対象にした教育プログラムを行っており、来年の春ごろには10周年を迎えることになります。

そういったインクルージョン活動に取り組み始めたきっかけは、実はずっと昔のスイスでの高校時代に2つありました。

ひとつは、当時のルームメイトがたまたまLGBTの方だったんですけど、その当時は学校がとても厳しく、あることでルームメイトは退学になってしまいました。この時、世の中はとても理不尽なものなんだと強く感じたのを今でも覚えています。

もう一つは、日本でいうところの修学旅行で、年に1回周辺国に行くんですけど、アフリカに行った時、クラスメートと共に立ち話していた私に、5歳ぐらいの女の子が両手を広げて近寄ってきました。稚拙だった私は、この子に1ドルでもあげられたら、あと何日かは不安な気持ちを持たず生き延びられるかもしれないと思って、お金を出そうとしたんです。でもそのときに、同じアフリカからの同級生にすごい怒られました。

最初はなんで怒られたのか全く分かりませんでした。でも、もう少し視野をひろげたら、目の前にきた子は1人なんですが、本当はもっといるわけです。また、あと数日は生きられるかもしれないけど、1週間後にはまた同じように手を差し出さなければ生きていけない厳しい現実が待っているわけです。そうやって「手を差し出したらもらえる」ということをその子が覚えてしまったら、貧困の根治的な解決にならない。自分のした行動が結局自己満足でしかなかったことに気づかされ、大いにショックを受けました。一方で、一見、冷たいように見えるシビアさも社会課題の解決には大切だということを深く学びました。

厚子:本当にそうですよね。抜本的な解決になってないんですよね。

那須:そうなんです。同級生に怒られて、目の前の現実と社会課題の解決という双方の葛藤があったのをすごく覚えています。社会課題解決の難しさというのを本当に小さいワンシーンだったんですけど、とても感じる一瞬でしたし、生半可な気持ちでやってはいけないなと思いました。

厚子さんと那須さんとは、Thursday Gatheringを通じて出会われたとのことですが、その出会いが今どのようなことに繋がっているのですか?

厚子:那須さんに今お願いしているのは私が運営しているJWLIプログラムのメンターです。

いつも企業の中で社会的な活動をされているサポーターを探しています。アメリカ的な経営の発想がわかりながら、日本の慣習に合わせてやってらっしゃる方、そして実践を通じて苦労をされてきた方、そういう経験・知識は貴重で、そういう方を探していました。

きっかけは、Thursday Gatheringでの偶然の対談で、那須さんのお話を聞いてお誘いしました。那須さんであれば、メンターに適任だと強く確信しています。

なるほど。JWLIのプログラムについてもう少し詳しく教えていただけますか?

厚子:ビジョンは先ほども申しましたが「Women lead social change of Japan」。

JWLIは2年間の女性リーダー育成研修です。フェロー(プログラム参加者)は、米国ボストンで4週間のトレーニングプログラムを受け、明確なアクションプラン立案します。それを実現することで社会を変えていく。様々な社会課題に取り組む女性たちが参加し、日本の社会変革に必要なリーダーとしての成長を後押しします。

例えば、日本ではリーダーはこうあるべきという固定観念があるように思いますが、リーダーには色んな形があり、誰でもリーダーになりうることを学びます。またNPOや社会起業家を訪問し、現場のリーダーと対話をします。座学としてではなく経験として習得するというとても珍しいプログラムです。また1週間はBabson Collegeのキャンパスに宿泊し、トレーニング・コースで世界の女性たちと切磋琢磨しながら悩み、学びます。

個人的な学びがより人を変えます。素晴らしい実践をしているリーダーたち会うことにより、フィランソロフィーの真髄を知ってもらう。彼女たちの失敗談を聞かせてもらうのも大切な学びです。那須さんにお願いしているメンターは、フェローがボストンで立案したアクションプランを2年間かけて実現する間の壁打ち・伴走役です。

プログラムは主にはソーシャルセクターの方が対象ですが、企業や行政の方もいます。ボストン滞在中は、共同生活を通し多様性を学びます。また、ソーシャルセクターにおける利潤は社会貢献や社会インパクトですが、そういうパッションや信念も大切です。ただ、気持ちだけでは、団体は運営できないので、リーダーシップが大切になってくるわけですね。

ボストンでのプログラムに限らず、JWLIの活動は広がりを見せているとお伺いしていますが、いかがでしょうか?

厚子:そうですね。アメリカはOpen・Positive・Inclusiveという基本的な価値観があって、自分のやりたいことはなんだと真正面に考える文化があるので、アメリカでやることが大切だと当初は思ってたんですね。

日本でも開催してほしいとの声を長年、多くの方から頂き、ついに2019年にBootcampという3日間の合宿型研修を開発し、名古屋と石巻で開催しました。トライアルだったんで、どうなるかわからなかったんですが、とてもうまくいきました。日本語で、日本でやっても、できるんだと。Bootcampプログラムの最後に卒業証書を出すんですが、名古屋も石巻も全員号泣だったんですよ。私自身もびっくりしました。それはプログラムを通じて、がんじがらめになっていたところが解放されたんだと思っています。

そういった経緯から、現在は100名を超す卒業生コミュニティーに、外部のステークホールダーを積極的に巻き込みエコシステムにしていこうと考えています。まさに、Women Leading Social Change in Japanです。

那須さんの活動についてもお伺いしていいですか?

那須:アクセンチュアは2006年から日本でもジェンダー(当時は女性)のインクルージョンをやってるんですが、もともとは制度のことからはじめていて、育休制度などの整備からはじめました。その後、女性だけでなく、男性と共通の課題にも向き合い始めました。いずれにしても、この取り組みの初期から、結局制度やカルチャーを決めるのは経営者層なので、そういうクラスの人たちが率先してダイバーシティを受け入れていく改革を並行してやってきています。

グローバルの前社長は2025年までに男女比率を半々にするという目標を掲げていたり、今のグローバル社長は女性なんですが、それぞれのタイミングでそれぞれの目的を掲げています。日本の歴代も今の社長ももちろん同じです。

LGBTQについても、ライフパートナーの方をサポートする制度があります。トランスジェンダー(T)の方は手術する方もいらっしゃって、その支援であったり、LGBTQに対する正確な理解を普及する、また、LGBTQをサポートしている社員(ALLY(アライ)といいます)が、サポーターだとわかるように社内ストラップをつけるなど、見た目からもLGBTQの方が安心して働けるように配慮する取り組みも行っています。

先に述べたジェンダーの取り組みと一緒で、アクセンチュアでは経営層が率先してやらないといけないという風潮があって、例えばLGBTQの方をサポートできているかということが問われる。ストラップもリーダー層から着けていますね。障がい者、クロスカルチャー(外国人)のインクルージョンも同じです。

那須さん個人として、特に注力している領域はありますか?

那須:はい。女性の大学生の方をサポートするというもので、AIESECという学生団体さんと連携して、女性の大学生さんたちが社会に出られた時に、活躍されるような育成プログラムを10年近くやっています。厚子さんがおっしゃっていたように、精神論だけでは営利であれ、非営利であれ活躍できないので、ロジカルシンキングやデザインシンキング、プレゼンテーションといった様々なスキルについて私たちの知見を共有しています。

私は全く英語がしゃべれない中学卒業生の時に海外に行って、アウェー感満載で生活するのって大変だなっていうことをとても痛感しました。最初は言語がほとんどわかりませんから、みんな知らない海外の人という感じなんですが、だんだん言葉が通じると、個々人の良さや魅力がわかってくる。本当は日本でもそういったことがあったはずなんですが、日本にいると当たり前すぎてわかってなかったんですね。そこで一人ひとりの個性の大切さを改めて学びましたし、そういった個性をぶつけ合うことで、新しい発想が生まれてくるのだと実感しました。ただ、人は必ず「アンコンシャス・バイアス」を持っていて、そこをちゃんと理解していないと、新しい何かを生みだす妨げになってしまう。イノベーションを生み出す力(個性)は一人ひとりがもっていると思うので、AIESECと一緒に取り組んでいることのような身近なところから、ダイバーシティやインクルージョンの大切さを啓蒙しながら、微力ながら人の成長を支援させて頂き、ゆくゆくはそういったことを通じて日本の成長・発展にも貢献できればと思っています。

最後に、メッセージをいただければ幸いです。

厚子:最後に、なぜJWLIをエコシステムにしようとしたかというこうとをお話しします。私は戦前生まれで、今でも焼け野原を覚えています。そんな日本が1964年にオリンピックを開催し、日本の復興を世界に知らしめた時代がありました。その時代は、企業と政府が二人三脚で牽引しました。でも、今は政府と企業だけでは小回りがきかないし、弱者に目が向けられない時代になったと思うんです。そこで、ソーシャルセクターと企業と政府の3つの車輪でやっていかないといけない時代なんだと思うんですね。だからこそエコシステムをつくろうと思ったんです。

その上で、那須さんのような個人や企業、団体、政府と繋がり、今後とも多くの方々と連携しながら、このエコシステムを育んでいければと思っています。

那須:女性もそうですし、それ以外のインクルージョンをしないといけない方々には、色んな活動をこれまでもやってきました。会社としても個人としてもそうなのですが、我々の貢献をもっと外に向けてやっていかないといけないと思っています。厚子さんともまたお話できることを楽しみにしています。

ありがとうございました!今後もお二人の活動について楽しみにしております!(了)

◆お話をお伺いした方

厚子・東光・フィッシュ氏/Japanese Women’s Leadership Initiative (JWLI)創設者, フィッシュファミリー財団創設理事
1999年の設立より、フィッシュファミリー財団の理事として従事。同財団は、移民に市民権を与えるプロジェクトや、低所得就労世帯(特に移民、もしくは母子家庭)を支援する社会福祉団体の援助を目的として活動しています。また、異文化交流に取り組むプログラムや団体の援助も行っています。2011年3月に起きた東日本大震災以降は,いち早く「東北緊急援助基金ボストン (Japanese Disaster Relief Fund Boston)」を立上げ,被災者支援活動に尽力しました。同基金は、総額約100万ドル (約1億円) を寄付で調達し、東北で活動する19支援団体に助成金として送り、2013年3月にその活動を終了しました。2006年には、日本における女性の社会貢献を目的としたリーダーシップ育成研修プログラム、Japanese Women’s Leadership Initiative (JWLI) を設立しました。2013年には、女性のエンパワーメントへの貢献が認められ、ホワイトハウスよりChampion of Change賞を受賞しました。同じように日本社会で地域社会に根ざし活動している女性に光を当てることを目的に、2017年にはChampion of Change Japan Awardを、2019年にはJWLI Bootcampを設立しました。また、2018年には、日本のソーシャルセクターの女性リーダー育成への功績が認められ、旭日小綬章を受賞しました。

那須もえ氏/マネジング・ディレクター/アクセンチュア株式会社 公共サービス・医療健康本部
米大学院卒業後、アクセンチュアに入社。主に国・自治体における産業集積(インバウンド/アウトバウンド)に係る政策立案支援や、実行支援を担当。特に近年は、フィンテック等における企業誘致を推進。東京金融賞2018–2020事務局を担当

◆Venture Café Tokyoについて/ About Venture Café

Venture Café Tokyoは”Connecting innovators to make things happen”をミッションに掲げ、各種プログラミング・イベントを通じてベンチャー企業・起業家・投資家を繋げることで、世界の変革を促すイノベーションの創出を狙いとする組織です。Thursday Gatheringは毎週木曜日16時-21時に開催されるVenture Café Tokyoのフラッグシップ・イベントです。教育セッションや安全で快適なネットワーキング空間の提供を通じて、多様な人々が集う場を提供し、上記のミッション達成を図ります。

http://venturecafetokyo.org/


”同じビジョンに共感した仲間でプロジェクトを進めたほうが、お互いにエネルギーを発信しあえて、良いサイクルができると思うんです。やっぱり、「仲間集め」って大切ですね。”

アントレプレナーシップという旅は、いわば仲間集めの旅とも言えるのかもしれません。今回は、大手IT企業の新規事業担当者としてサービス開発を行っている堀野さんに、ご自身のこれまでの「旅」の軌跡とVenture Café Tokyoとの接点から起こった「HAPPEN」についてお話をお伺いしました。

今日はありがとうございます!まずは簡単に堀野さんのことについてお伺いできますか?

SAKE FANファウンダーの堀野です。現在の会社には新卒で入社して、これまで複数のサービスの企画開発に携わってきました。例えば、B2Cの翻訳アプリケーションや、訪日外国人の誘致を求める自治体や民間企業向けの広告配信サービス等を手掛けてきました。

2020年に入ってから、海外向けの新規事業企画を0から立ち上げるというプロジェクトの検討を開始しました。今は、Crewwさんの手がける「Startup Studio」というプログラムに参加しながらサービスの立ち上げに取り組んでいます。

なるほど。もう少し具体的に今、取り組んでいることをお伺いできますか?

今、取り組んでいるのは、外国人に対する日本酒の情報提供/ECービス「SAKE FAN」です。

サービスページ: https://sake-fan.studio.design/

もともと日本酒が好きで。笑 ハマったきっかけは、岩手県の赤武や佐賀県の七田っていうお酒だったんですけど、日本酒ってこんなフルーティーな味わいが出せるんだって、それから色々な日本酒を飲んできた感じです。

プライベートや仕事でも、海外によく行く機会があったんですけど、日本酒は和食が無形文化遺産登録されたあたりから、獺祭などの有名な銘柄の認知が高まってきたなと感じていました。一方で、スーパーや小売店ではほとんど扱っていないし、レストランでも提供されていない。

訪日客向けのアンケートでは、8割程度の旅行者が日本酒に興味を持っているというデータもあるのに、なぜこんなに流通していないんだろう?というのが素朴な疑問でした。加えて、日本酒の海外輸出の市場規模は250億円程度なんですが、ワインはフランスだけでも1兆円規模ある。日本酒のポテンシャルは高く、まだまだ伸びしろがあるんじゃないか、というのがこのアイデアを考え始めたきっかけです。

最初は、訪日客のおみやげ需要であったり、帰国後でも継続して日本酒を購入したいというニーズがあるんじゃないか、と仮説を立て、アンケートで仮説を検証するとともにペルソナを具体化していきました。さらにペルソナ像と一致する外国人に対してインタビューを行い、外国人が抱える課題を深掘りすることに時間を費やしてきました。

そこから浮かび上がった課題は、ざっくり言うと、情報不足、理解不足。例えば、酒蔵さんのこだわりや製法の違いが知りたいのに、自国の言語で得られる情報が少ないため知ることができなかったり。あるいは、一度美味しいと感じたお酒をリピートしたい、と思っても銘柄が読めないので記憶に残りにくい、注文できない、といった声があるとわかってきました。

そうした声をどんどん深掘りしていった結果、辿り着いたのは「もっと美味しい日本酒に出会いたい。より良い味わいを経験したい。」というインサイトでした。そうした日本酒に出会うため、最も大切な基準は、様々な情報ではなくシンプルに「味」です。そこで今、我々は「味」を頼りにより良い日本酒をレコメンドするサービスを立ち上げようとしています。

ちなみに、社内ではなく社外の「STARTUP STUDIO by Creww」を活用して新規サービスを立ち上げるというのは、どういうことでしょうか?

一つは、社内に閉じた検討だと、どうしても提供者目線になってしまいがちということ。これは自分自身の経験と反省から得た教訓ですが、初めは消費者目線でスタートしても、少しずつ提供者の理屈や思いが強くなっていく。なので、最初から最後まで消費者・利用者に寄り添いながらサービス開発ができるよう外部を巻き込みプロジェクト化とすることを考えました。Crewwさんは、Venture Café Tokyoを含む外部パートナーの繋ぎこみや、メンタリングの機会などを用意していくれていて、そうったサポートを得ながらサービス開発に専念できます。

もう一つは、「仲間集め」ですね。STARTUP STUDIO by Crewwには何らかのアイデアを形にしたいという想いを持った方々が個人で参加していて、そうしたマインドセットを持つメンバーの助力を得られるというメリットがあります。これを社内の中で進めようとしても、組織の壁にぶつかったり、スキルを持つ社員の稼働確保が難しかったりして意外と仲間集めが難しい。一方、オープンなプロジェクトにすると、ビジョンに共感してくれた人や適切なスキルを持った人たちが、社内外問わず柔軟に集めやすくなると感じています。

ありがとうございます。「仲間集め」ということで言うと、Venture Café Tokyoが4月に行ったRocket Pitch Nightが役に立ったとお伺いしてます。Venture Café Tokyoとの接点はどのようなものだったんでしょうか?

はい、失礼な話、最初はVenture Café Tokyoの取り組みを知らなかったんですけど、Crewwさんの紹介でVenture Café Tokyoが4月に行ったRocket Pitch Nightに参加させてもらいました。仲間集めのためにも、最初にVenture Café で3分ピッチしてみたらという軽い感じで。笑

正直、その時はSTARTUP STUDIO by Crewwのプログラムが始まったばかりで想いやビジョンはあったんですけど、何が課題だったり、どういうソリューションが良いのか、まだわかってなかったんですね。Yコンビネーターのピッチの資料なんかも見ながら、自分たちの仮説をオーディエンスにぶつけてみよう、そして仲間集めをしよう、ということを念頭において準備しました。検討の初期のタイミングでピッチの機会があったのは、今振り返ると本当によかったです。準備のプロセスを通じて、だいぶ考えが整理できたように思います。

仲間集めの成果はどうでしたか?

色々あって、一つは01 Boosterの川島さんとの出会いですね。Rocket Pitchでピッチのコメンテーターをしていただいたことをきっかけに定期的に壁打ち役をしてもらっています。最初に立ち上げた仮説は、酒蔵ツーリズムであったり、おみやげ購買であったり、もともとインバウンドのイメージだったんですが、川島さんと話してPoC(Proof of conceptの略:ソリューションの仮説検証)にあたって、マネタイズの方針を絞ったほうがいいとアドバイスをもらったのもあって、今は海外向けの情報提供 / ECにサービスに軸足を移しました。

あとは、サービスに対するフィードバックや有用な情報を交換したりする目的で、我々の思いやビジョンに共感していただけている人たちとFacebookの非公開グループをつくっているんですけど、Venture Café Tokyoで出会った方々も何人か入っていただいてます。グループには私を含むコアメンバー4名とサポーター12名の計16名が参加しているんですけど、仲間が増えていくのってワクワクしますよね。

Rocket PitchをきっかけにVenture Caféとはグローバルにもコラボレーションしたと聞いています。そちらの話もお伺いさせてください。

はい、Rocket Pitchのあとに海外の方の声をさらにヒアリングしたくて、Crewwさんから改めてVenture Café TokyoのLisaさんを紹介してもらって、Venture Café SydneyとWarsawに繋げてもらいました。どちらも東京と同じように今はオンラインでThursday Gatheringを行っているので、東京からオンラインネットワーキングプラットフォームであるRemo上で出展させてもらいました。宣伝もしていないので、人来るのかな?と思ってたんですけど、蓋をあけてみたら4–5人ほど来てくれて十分話をすることができました。

Sydneyでは、日本酒に詳しい大学関係の方と出会うことができて、今でもメール交換していたり、インタビューにも対応いただいたりしています。Sydneyは日本や日本酒に対する理解が結構あったんですけど、Warsawはまた状況が違うかったのも発見でしたね。CHOYAは知っていてもSAKEは知らないみたいな。Warsawでは、むしろ現地で好まれているお酒のことやお酒の飲み方について話を聞いていました。

東京以外のVenture Caféで出展というと「アウェー」に感じる方もいると思うんですけど、コミュニケーションがうまくいったポイントとかってありますか?

実は、そもそもサービスの対象がお酒だったからかもしれないんですけど、結構お酒に関わる雑談ばっかりしていたんですね。それが意外とよかったのかもと思っています。あとはRemoってショートに滞在して、皆さんすぐに別のテーブルへ行くんですよね。なので、自分のやってることは1分、2分で紹介して、仕事に関わることは連絡先交換して後日やりとりするような工夫はしました。先ほどのシドニーの方へのインタビュー依頼なんかも、その場というより事後で行いました。

ありがとうございます!それでは、最後にメッセージをいただくことはできますか?

そうですね…。Venture Caféに限らず、自分のアイデアを外にどんどん発信することは恐れずに積極的にやっていったほうが良いと思っています。他の人には真似のできない特異なアイデアを手がけているなら別だと思うんですけど、そういうケースってあまりないと思うんですよね。大抵、世界の誰かが同じようなアイデアを考えていたりする。たったら、むしろどんどん色んな人の意見を取り込んで、ブラッシュアップして、前に進んでいったほうがいいと思うんですよね。

加えて、外に発信することで、思いやアイデアに共感してくれる仲間も集めることができるのも大きいです。同じビジョンに共感した仲間でプロジェクトを進めたほうが、お互いにエネルギーを発信しあえて、良いサイクルができると思うんです。やっぱり、「仲間集め」って大切ですね。

ありがとうございました!

◆Venture Café Tokyoについて/ About Venture Café

Venture Café Tokyoは”Connecting innovators to make things happen”をミッションに掲げ、各種プログラミング・イベントを通じてベンチャー企業・起業家・投資家を繋げることで、世界の変革を促すイノベーションの創出を狙いとする組織です。Thursday Gatheringは毎週木曜日16時-21時に開催されるVenture Café Tokyoのフラッグシップ・イベントです。教育セッションや安全で快適なネットワーキング空間の提供を通じて、多様な人々が集う場を提供し、上記のミッション達成を図ります。

http://venturecafetokyo.org/


左からパーソルキャリア中山氏、おとえん相馬氏、ZESDA桜庭氏

人々に「はたらく」を自分のものにする力を(GIVE PEOPLE THE POWER TO OWN THEIR WORK-LIFE.)をミッションに掲げるパーソルキャリア株式会社。 2020年5月21日、起業家や政策担当者など多様なイノベーター達をつなぐ「Venture Café Tokyo」と共同で、トークセッションシリーズ「脱・働く-POWER TO/THE PEOPLE-」の第5回を開催しました。

これからの時代の新しい「はたらき方」はどうあるべきか。旧来の働き方からの脱却「脱・働く」をテーマに掲げ、第5回目は「パラレルキャリア」をキーワードにトークを実施。
ゲストには、第3回セッション「『コネ・カネ・チエ』 の資本主義」にも登壇された桜庭大輔さん、7つのパラレルキャリアを実践し、パラレルキャリアカウンセラーとしても活躍されているおとえんの相馬英子さんのお2人をお迎えし「after・withコロナ時代のパラレルキャリア論」について議論を深めていきます。

Venture Café Tokyo

Innovation Community Builder in Tokyo.

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